米Strategy Analyticsが現地時間2014年5月28日に公表した携帯電話市場に関する調査によると、2014年の中国における携帯電話の売上金額は約870億ドルとなり、同国の携帯電話市場は金額ベースでも米国市場を上回る見通しだという。

 同社によると2013年における中国の携帯電話出荷台数は3億7480万台だった。これに対し米国の同年における出荷台数は1億6330万台。今年の出荷台数は中国が前年比15%増の4億2980万台、米国が同横ばいの1億6340万台になると予測している。

 一方で売上金額を見ると、2013年における中国の金額は570億ドル、米国は574億ドルで、両国はほぼ同じだった。これが今年は、中国が前年比53%増の872億ドルに達し、米国は同4%増の595億ドルにとどまるという。

 中国はすでに出荷台数ベースで世界最大の市場になっているが、今年は売上金額でも米国を抜き、世界一になるとStrategy Analyticsは予測している。

 同社によると、中国携帯電話市場の急成長を支えているのは、3G、4G通信サービスへの急速な移行。韓国Samsung Electronicsや中国Huawei Technologies(華為技術)、中国Lenovo Group(聯想集団)といった大手が積極的に自社の流通チャネルを拡大しているほか、より高機能の端末など製品ラインアップを拡充し、旺盛な中国消費者の需要に応えている。

 一方、米国は売上金額で中国に首位の座を譲るものの、利益ベースでは依然、2位と大差をつけてトップを維持するという。その要因は、端末平均販売価格の高さや、米Sprintをはじめとする通信キャリアによる膨大な購入補助金。これにより、米国はAppleやSamsungなどの大手メーカーとって、高利益が約束された市場になっているという。

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