ソニーは中国に合弁会社2社を設立し、中国向けにビデオゲーム機「PlayStation」を製造・販売する。ソニーと提携合意した中国コングロマリットShanghai Oriental Pearl Group(上海東方明珠集団)が、現地時間2014年5月26日に上海証券取引所に提出した書類から分かったこととして、複数の海外メディア(英Reuters米Wall Street Journal米Bloombergなど)が報じた。

 2社の合弁会社はいずれも上海自由貿易試験区に設立される。1社はハードウエアを手がけ、資本金は1000万人民元。上海東方明珠傘下のShanghai Oriental Pearl Culture Development(上海東方明珠文化発展)が51%を、ソニーの中国子会社が49%を保有する。もう1社はソフトウエアを担当し、資本金は4380万人民元。Shanghai Oriental Pearl Culture Developmentとソニー中国の保有率は、それぞれ30%と70%。

 ソニー・コンピュータエンタテインメントの広報担当者はReutersの取材に対し、上海自由貿易試験区でゲーム機に対する禁止措置が一時的に解除されたことを受け、Shanghai Oriental Pearlと協力することを認めた。しかし事業展開については決まっておらず、詳細は追って発表するとした。両社が提携に合意したのは、先週のことだという。

 中国では2000年から2014年1月までビデオゲーム機の製造および販売が禁止されていたが、規制緩和策によって、外国企業は上海自由貿易試験区の会社を通じて中国本土にビデオゲーム機を販売できるようになった。

 ソニーが中国に投入するPlayStationのモデルや、中国での発売時期については不明。最新モデル「PlayStation 4」は、昨年11月の発売から今年4月初めまでに世界で700万台以上販売され、ほぼ同時期に発売された米Microsoftの「Xbox One」を上回っている。なお、Microsoftも先月、Xbox Oneを9月に中国でリリースする計画を明らかにしている。

 中国ゲーム市場は、偽造品や密輸入品が広く出回っているほか、中国本土のゲーム愛好者はビデオゲーム機を使用するよりネットカフェのパソコンやスマートフォンでゲームをすることを好むため、「極めて難しい市場だ」とReutersなどは指摘している。