キリンビールは2014年5月26日、同16日に東京・渋谷でオープンした「一番搾り」ブランドのコンセプトショップを7月上旬ごろまで期間限定でリニューアルし、店内でサッカー日本代表を応援できる施策を始めた。
取り組みの1つとして、店内にリコー製の全天球360度カメラを備えた専用装置を合計6台、大型什器にも1台設置。まるで円卓を囲むように、顧客同士が乾杯シーンを自由に写真撮影できるアトラクション「一番搾リング」を用意した(写真1)。
カメラの周りに顧客が集まり、付属するスマートフォンのボタンを押すと、360度の写真が撮れる。写真はクラウド上に保存され、顧客自身が自分のスマートフォンのバーコードリーダーで、画面のバーコードを読み取ると、360度の写真を確認・保存できる(写真2)。
こうした写真を各自のFacebookやTwitterでシェアしてもらうことで、サッカーを応援しながら楽しくビールを飲むシーンを共有してもらう(写真3)。
この施策を仕掛けたのは、キリンのCSV本部デジタルマーケティング室。2014年1月にできたばかりの組織で、キリングループのマーケティング施策をデジタルシフトさせていくミッションを担う。約50人が所属している。
渡辺尚武室長は「これまでグループ内で個別に展開してきたデジタルマーケティングの施策は、分断されていることが多かった。少しずつ統合していきたい」と語る。
今回の一番搾リングは、その先駆けとなる取り組みだ。一番搾りのブランドマネジャーやリアルの店舗と連携しながら、ネット上でのコンテンツ拡散を狙ったものだ。
一番搾リングを企画したデジタルマーケティング室デジタルマーケティング担当の土谷友理恵氏は「乾杯シーンを撮影しようとすると、カメラ担当の人が写真に入れず“仲間外れ”になってしまう。そんなとき全天球360度カメラを知り、当社からリコーにお声がけした」と話す。