米Microsoftは現地時間2014年5月22日、同社が昨年、米連邦捜査局(FBI)から受けた顧客情報提供要請に対して異議申立をしていたことを明らかにした。米ワシントン州シアトルの連邦地方裁判所が関連の証拠書類(PDF文書)を公開したため、発表できるようになったという。

 Microsoftによると、FBIは国家安全保障書簡(NSL:National Security Letter)を発行し、Microsoftの法人顧客に属する1件のアカウントに関する情報を提出するよう同社に要請した。求められたのは登録ユーザーの基本情報だった。

 NSLには、要請を受けたことを公表したり顧客に伝えたりすることを禁じる守秘義務規定が盛り込まれていた。しかしMicrosoftは裁判所に異議申立を行い、「守秘義務規定は違法であり、憲法で保障されている表現の自由の権利を侵害している」と主張した。FBIはその後、NSLを取り下げたという。

 Microsoftは2013年12月、法的手続きを経た情報提供要請があった場合に顧客に通知することを公言し、「それを妨げる口外禁止令があれば裁判所に異議を申し立てる。過去にもそのような措置をとったことがあり、今後もそのようにする」と述べていた。

 なお、証拠書類によればFBIがNSLを取り下げたのはMicrosoftの抗議に屈したからではなく、Microsoft以外から必要な情報を入手できたことが理由だと、複数の米メディア(Wall Street JournalForbesPCWorldなど)が指摘している。

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