写真1●SOASTA Internationalゼネラルマネージャーの駒林一彦氏
写真1●SOASTA Internationalゼネラルマネージャーの駒林一彦氏
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写真2●米SOASTAでAPAC担当バイスプレジデントを務めるキャメロン・ハンター(Cameron Hunter)氏
写真2●米SOASTAでAPAC担当バイスプレジデントを務めるキャメロン・ハンター(Cameron Hunter)氏
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 SOASTA International(以下、SOASTA Japan)は2014年5月23日、企業のWebサイトに対して全世界のIaaSから大規模な負荷テストを実施できるSaaS型のクラウドサービス「SOASTA CloudTest」など、三つのサービスを発表、同日販売を開始した。開発会社は米SOASTAで、SOASTA Japanは2014年3月に設立した日本法人である。日本法人の代表者は駒林一彦氏(写真1)で、販売目標は今後2年間で40システム程度。

 SOASTA Japanが国内で新たに販売開始したサービスは三つある。(1)SOASTA CloudTestは、全世界のクラウドからWebサイトの負荷テストを実施する。(2)「SOASTA mPulse」は、Webビーコン(JavaScript)を使ってWebサイト利用者が体験したリアルな性能を監視し、性能とコンバージョン(購入や資料請求などのビジネス成果)との関係を分析/可視化する。(3)「SOASTA TouchTest」は、解析ライブラリーを組み込んだAndroid/iOSアプリケーションの機能テストをクラウドから実施する。

 (1)のSOASTA CloudTestの特徴の一つは、負荷をかける仮想ユーザーのスケーラビリティが高いこと。AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなど全27社のIaaSクラウドを制御可能で、全世界に分散した数万、数十万、数百万に及ぶ仮想ユーザーから同時にアクセスさせられる。IaaSの仮想インスタンス1台で20~1000仮想ユーザー程度をまかなえる、としている。

 SOASTA CloudTestの事例として、海外事例では100万仮想ユーザー、国内事例では12万仮想ユーザーの例があるという(写真2)。この国内ユーザーは、Apache JMeterからSOASTA CloudTestに移行して、テストにかかるコストを80%削減できたという。JMeterでは現実的にテスト可能な仮想ユーザー数が1万程度に限られてしまっていたほか、テストシナリオの作成/管理や分析/レポートなどに工数がかかっていたという。

 SOASTA CloudTestの特徴のもう一つは、テストの作成やIaaS環境への展開が簡単で速いこと。テストの作成は、GUIのドラッグ・アンド・ドロップ操作で実施できる。Webサイトの認証情報(ユーザーID/パスワード)は表計算ソフトなどで作成し、これを登録できる。また、テスト結果は、リアルタイムにダッシュボード上に表示できる。複数の監視データを重ね合わせて表示できるので、これらの相関関係を瞬時に確認できる。負荷テストが始まってから最大負荷(仮想ユーザー数の上限)を動的に変更することも可能である。

 SOASTA CloudTestの価格は、SaaSで提供する管理サーバーを1年間利用する場合で400万円程度から。これ以外にも、SaaSの短期利用や、オンプレミスでの設置も可能。IaaSのアカウントは、原則としてユーザー企業が用意し、IaaSの利用料もユーザーが直接支払う形となるが、SOASTAが保有するIaaSアカウントとIaaS利用料金をセットにした契約も可能である。