写真●センサーを搭載したコンバインから収穫したコメのデータを収集するクボタの農業クラウド「KSAS」
写真●センサーを搭載したコンバインから収穫したコメのデータを収集するクボタの農業クラウド「KSAS」
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 クボタは6月2日、主に稲作を対象にした農業支援クラウドサービス「クボタスマートアグリシステム(KSAS)」を開始する。コンバインなどの農機の情報を収集したり、専用スマートフォンを使って農場にいる担当者に作業指示などを出したりすることができる「本格コース」と、作業日報の作成や管理などに限定した「基本コース」の2種類のサービスを提供する。

 目を引くのが本格コースの内容である。センサーを搭載したコンバインと連動させることで、稲を刈るタイミングで、収穫したモミに関するデータを自動収集。農場ごとに「どれくらい収穫できたか」「コメのおいしさはどうか」をKSAS上で把握できる。

 おいしさに関して収集するデータは、たんぱく質と水分の含有率だ。コメの味を大きく左右するこの2種類のデータを、コンバインに備え付けた赤外線センサー経由で収集。複数の農場を管理する場合、それぞれで結果を見える化する。

 これらを踏まえ、サービスを利用する農業担当者は、「次の年にどのような肥料をどれくらいの配合で農場に撒くか」などの検討に役立てられるので、収穫量の向上やおいしいコメ作りにつなげられる。KSASでは農場ごとに撒く肥料の分量を事前設定することも可能。KSASと連動する田植え機を使うと、その設定に沿って農場ごとに肥料をまく。