日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2014年5月21日、5月7日に米国で発表したクラウド関連製品/サービスの新ブランド「HP Helion」に関する説明会を開催した。HPはクラウド関連の製品やサービスをOpenStack中心に構築しており、Helionはそれら全体のブランド名になる。HPはHelionに対し、今後2年間で10億ドル以上投資することを明らかにしている。

写真1●日本ヒューレット・パッカード執行役員エンタープライズグループ事業統括、エンタープライズグループ営業統括、クラウド営業統括本部長の松浪幹生氏
写真1●日本ヒューレット・パッカード執行役員エンタープライズグループ事業統括、エンタープライズグループ営業統括、クラウド営業統括本部長の松浪幹生氏
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 説明会では、まず日本HP執行役員エンタープライズグループ事業統括、エンタープライズグループ営業統括、クラウド営業統括本部長の松浪幹生氏(写真1)が「プライベート、マネージド、パブリックといった複数のクラウドの形態を、システム要件ごとに最適に組み合わせて使用する“ハイブリッドクラウド”を薦めている」と自社の基本戦略を説明。そのクラウド部分に対して展開するのがOpenStackベースの製品やサービスのHelionであるとした。OpenStackはIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を構築するためのオープンソースソフトウエア。

 具体的には、HPがメンテナンスしているOpenStackディストリビューション「HP Helion OpenStack」やクラウド導入のサポートサービスを体系化した「HP Helionプロフェッショナルサービス」の提供、OpenStackベースのパブリッククラウドの世界展開などがある。

HP Helion OpenStackは無償のCommunity版と商用のEnterprise版/Service Provider版がある
写真2●HP Helion OpenStackは無償のCommunity版と商用のEnterprise版/Service Provider版がある
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 HP Helion OpenStackは、OpenStackの最新版「Icehouse」がベース。これまでHPはクラウドアプライアンス「HP CloudSystem」にバンドルという形でOpenStackディストリビューションを提供していたが、ソフトウエアとして単独で提供するのはこれが初めて。無償で利用できる「Community」版と、商用の「Enterprise」版、「Service Provider」版がある(写真2)。OpenStackが実装していないエンタープライズ向けの機能も盛り込む点が差異化のポイントの一つという。