写真●ニューヨークでの記者会見でマルウエア「Blackshades」によるサイバー攻撃に関する逮捕を発表する米連邦検事
写真●ニューヨークでの記者会見でマルウエア「Blackshades」によるサイバー攻撃に関する逮捕を発表する米連邦検事
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 米連邦捜査局(FBI)は現地時間2014年5月19日、盗撮機能を持つマルウエア「Blackshades」の共同開発者2人を起訴したと発表した。18カ国の法執行当局との協力によるマルウエア撲滅作戦の成果の1つで、合計90人以上を摘発し、300カ所以上の家宅捜索を行ったという。

 Blackshadesは、パスワードやオンラインバンキング情報を盗むリモートアクセスツール(RAT)で、ユーザーのキー入力を記録する機能、ウェブカムを介して盗撮する機能などを備える。コンピュータを人質にとってお金を要求する脅迫行為や、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃などにも使用される。40ドルほどの価格で100カ国以上で販売され、世界で50万台以上が被害に遭った。

 FBIは、スウェーデン国籍のAlex Yucel容疑者と米国籍のMichael Hogue容疑者が共同でBlackshadesを作成したとして起訴した。Yucel被告は会社のようにBlackshades販売組織を運営し、人を雇って給料を支払い、顧客の要望に応じて同マルウエアを更新していたという。

 FBIは米国で100人以上を尋問し、Blackshadesに感染したコンピュータの管理に使われている1900以上のドメインを閉鎖した。同マルウエアの販売を手伝った者や、同マルウエアを購入して密かに他のユーザーのコンピュータに感染させた者も逮捕した。

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