写真1●Storwize V7000の新モデル。下がきょう体。上が抜き出したコントローラー部分
写真1●Storwize V7000の新モデル。下がきょう体。上が抜き出したコントローラー部分
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写真2●リアルタイムでデータを圧縮する専用チップを搭載した拡張ボード
写真2●リアルタイムでデータを圧縮する専用チップを搭載した拡張ボード
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 日本IBMは2014年5月20日、ストレージシステムの新製品として「Storwize V7000」「System Storage TS4500 テープ・ライブラリー」などの新モデルを発表した。6月6日から順次出荷する。

 Storwize V7000は多機能型SANストレージ(写真1写真2)。新モデルの最大の特徴はハードウエアによるリアルタイムデータ圧縮に対応している点だ。従来モデルでもデータ圧縮は利用できたが、新モデルでは速度が10倍になった。圧縮率は最大80%、平均で55%だという。同じ物理容量のストレージにより多くのデータを保存できることから、ストレージにかかるコストを削減できるとする。圧縮率はデータの種別により異なるため、導入前にどの程度圧縮できるかを見積もるサービスを提供する。

 従来より搭載していた「Easy Tier」機能は、高速なフラッシュストレージからテープ装置まで3階層での管理に対応した。頻繁に使うデータを高速なストレージに、使用頻度の低いデータをテープ装置に自動で配置するといったことができる。IBM製だけでなく他社の機器を利用したストレージの拡張にも対応する。

 V7000本体には2.5インチドライブを24台搭載可能。2.5インチドライブ24台か3.5インチドライブ12台を搭載できる拡張きょう体もある。V7000には最大20台の拡張きょう体を接続でき、V7000と拡張きょう体で構成されるクラスターは最大4つまで拡張可能だ。ドライブの接続はSAS 12Gbps。キャッシュとして64GBまたは128GBのDRAMを搭載する。

 ストレージ仮想化コントローラーの「Storwize SAN Volume Controller」でも新モデルを出す。新モデルはリアルタイムデータ圧縮に対応したほか、ホストとの接続ポート数や拡張できるドライブ数を増やした。Storwize V7000の最小構成価格は855万円(税別、以下同)。Storwize SAN Volume Controllerは794万8600円(2台1組)。

 System Storage TS4500 テープ・ライブラリーは、従来モデルに対し収容カートリッジ数を2.1~3.4倍にした。最大4フレームまで拡張すると14.2ペタバイトの容量が得られる。「トップ・ラック・オプション」として、フレームの上部に10Uラックを設置できるようにした。SANスイッチやサーバーなどを収納できるため、設置面積を削減できる。最小構成価格は1344万7400円。