日本NCRは2014年5月20日、不正な決済処理をリアルタイムに検知するソフト「Alaric Fractals」と、決済処理の実行基盤となるソフト「Alaric Authentic」の販売開始を発表した。販売価格は未定だが、既に販売を開始している米国ではハードウエアや設定作業などを含めて数千万~数億円で提供しているという。今後1年で10億円以上の売り上げを目指す。

 Alaric Fractalsは、決済処理のトランザクションをリアルタイムに監視し、平常時とは異なる処理パターンを検知すると不正な決済とみなし、警告を発信するソフトウエアである。特徴は、不正な決済の処理パターンを自己学習できること。新たな不正を検知すると、その処理パターンを即座に学習するため、短時間に連続して同じ手口で不正されるようなケースで、被害の拡大を防ぐことが可能になる。

 Alaric Authenticは、「支払スイッチ」と呼ばれるカテゴリーのソフトウエアである。例えば、ECサイトの利用者が決済のためのクレジットカード情報を入力すると、その情報を該当するクレジットカード会社にネットワーク経由で引き渡して、決済処理が正常に完了するまでのトランザクションを管理する。

 特徴は、設定情報の変更だけで、Webサイトやモバイルアプリ、クレジットカードの読み取り装置といった様々なチャネルに対応できることである。また、Javaで開発されているためOSやハードウエアに依存しないことも特徴の一つである。