写真●Japanese makers Meetupの様子
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表●Japanese makers Meetupの参加作品(展示順)
表●Japanese makers Meetupの参加作品(展示順)
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 ものづくりの祭典「Maker Faire Bay Area 2014(関連記事)」から一夜明けた2014年5月19日、日本からの参加者のうち約10人が、米Evernote本社で行われた「Japanese makers Meetup」に参加した(写真)。

 Japanese makers Meetupは、Evernoteが企画した、同社社員との懇親会。ランチタイムを活用して同社の会議室の一つをデモルームとして開放し、Maker Faireへの出展作品を同社社員が体験できるようにした。事前手続きや当日の受付なども用意せず、社員の出入りは自由という、“ゆるい”雰囲気のイベントである。主催者やゲストからの挨拶があるわけでも、成果を求めることもなく、交流の場だけが用意されるのだ。

 実際、技術的な興味をもって参加者にいろいろな質問をぶつけたり、アドバイスや感想を伝えたりする社員もいれば、ゲームに興じる人だけの人もいたりと、社員はそれぞれのスタイルで遠方から来たゲストとの交流を楽しんでいた。

 このイベントは、日本からの参加者とEvernote社員の双方にメリットがある。日本からの参加者にとってのメリットは、改めて発表の場を得られたこと。また、大勢かつ不特定多数の来場者が押しかけるMaker Faireとは違って、比較的落ち着いたやり取りが可能となる。Evernote社員にとっても、大混雑するMaker Faireの会場に比べてじっくりと意見交換できるのがメリットだ。普段は接することがない、初対面の開発者による奇抜なアイデアは、ともすると外部との接点が少なくなりかねない開発者にとっては、いい刺激になりそうだ。

 Japanese makers Meetupのような課外活動は、かつては一部の日本の企業にもごく当たり前に存在していた。業績の低迷やコンプライアンスの強化などの諸事情によって、このような外部との接触機会は減る傾向にある。

 今回、Maker FaireとJapanese makers Meetupの両方に参加した開発者グループ「品モノラボ」は、会社の仕事以外の活動、社外との交流を重視して発足したものである。以前は企業が内包していた、突飛な何かを生み出すかもしれない“雑多な雰囲気”は社外のコミュニティが作り出し始めている。