米Cisco SystemsのJohn Chambers最高経営責任者(CEO)がBarack Obama米大統領に対し、米国家安全保障局(NSA)による監視活動の規制を求める書簡を送っていたことが分かったと、英Financial Timesが現地時間2014年5月18日に報じた。

 Chambers CEOは、米国技術企業の信頼が失墜する懸念があるとし、政府当局の情報収集活動に関する新たな行動規範を設けることを大統領に要求している。

 書簡の日付は5月15日になっており、その前日には、NSAスタッフがCisco製品の箱を開けている写真がネット上に出回った。米Wall Street Journalによると、これはNSAの情報収集活動を暴露したEdward Snowden氏からの情報などに基づいて、元英Guardianの記者が執筆した告発本からの抜粋。同書では、NSAがCisco製品などの技術装置を顧客に配達される前に入手し、インターネット行動を監視するためのツールを埋め込んでいることを示す資料が紹介されている。

 Chambers CEOは、「NSAがIT製品に細工をしているという疑いが本当であるなら、米国技術産業の信頼は損なわれ、技術企業が世界に製品を提供できなくなるおそれがある」と述べている。

 Ciscoが今月発表した2014会計年度第3四半期(2014年2月~4月)の決算によると、ブラジル、ロシア、インド、中国、メキシコなど新興国で受注額が減少。特にブラジルでは27%減、ロシアでは28%減と、大幅な落ち込みを見せたという(米Re/codeの報道)。