写真●製造現場 見える化ソリューションの概要(出典:日立ソリューションズ)
写真●製造現場 見える化ソリューションの概要(出典:日立ソリューションズ)
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 日立ソリューションズは2014年5月15日、工場などの製造現場に向けたシステム構築サービス「製造現場 見える化ソリューション」(写真)を発表した。人や機械、部材、センサーなどのデータを活用することで、製造現場の問題解決や業務改善を支援する。5月22日から提供開始する。システムの機能をフレームワーク(組み合わせて使う部品)として体系化したことで、発注や要件定義を容易にした。

 製造現場 見える化ソリューションは、製造現場におけるデータ活用に特化して、SIサービスを体系化したものである。同社が提供しているSIサービスや製品の中から、製造現場の問題解決や業務改善に適する30を超える製品とサービスを、機能ごと、目的ごとに分類して体系化した。ユーザー企業は、機能名の粒度で、おおまかなシステムイメージを定義して発注できる。

 個々の製品やサービスを機能で分類したものをフレームワークとして用意した()。例えば、「NOW(今の状態)」というフレームワークは、ラインの生産能力などの現状を見える化する。このための製品/サービスをマッピングしている。一方、「FIXED DATA」というフレームワークは、生産実績データを元に設備異常の原因分析や故障予測などを分析する。「MAN/METHOD」フレームワークは、入退出データや作業動線データなどから作業員の動きを取得する。

表●製造現場 見える化ソリューションのフレームワーク(部品)
(出典:日立ソリューションズ)
フレームワーク名概要
■データ活用
NOW(今の状態)現場で取得したデータを用いて、「今の状態」を見える化。生産能力、ライン別不良、納期遅延、稼働状況など
FUTURE(未来の状態)現場で取得したデータと統計解析手法を用いて、QCD改善のための「未来の状態」を見える化。不良予測、FMEA(故障モード影響解析)、不良原因解析、故障予測など
■データ収集・分析
FIXED DATA製造装置や部材などの生産実績の定型データを収集し、BIツールを活用して設備異常の原因分析や故障予測など多様な分析を実施
FLEXIBLE DATA製造現場の様々なデータを収集し、意味のあるデータに変換した上で、データ分析ツールを活用してトラブル発生時の原因分析や傾向分析など多様な分析を実施
BIG DATA収集・蓄積した大容量データを高速分析ツールの活用により、調達・生産計画などの素早い判断を可能にし、改善活動にフィードバック
CLOUD製造現場の多種多様なデータをクラウド環境にて一元管理
TRANSPORT製造現場の多種多様なデータを高速&低コストで、クラウド環境やローカル環境へデータ転送
■データ取得
MAN/METHOD入退出・勤怠のデータ、作業実績データ、作業動線・動作データなどから、作業員の動きを取得
MACHINE製造装置ログの稼働/故障情報や完成/不良数情報などから、機械の動きを取得
MATERIAL部材のRFIDやバーコード、作業員の音声認識などを利用した入庫データ、仕掛データなどから、もの(部材)の動きを取得
ENVIRONMENT製造現場に設置した各種センサーの温度・湿度などのデータから、環境の変化を取得