米連邦通信委員会(FCC)は現地時間2014年5月15日、ネット中立性に関する規則制定提案告示(NPRM:Notice of Proposed Rulemaking)を公開した。FCCのTom Wheeler委員長が中心となってまとめた改定案について、広く意見を募る。

 同提案では、FCCが2010年に採用した、コンテンツやアプリケーションの不当な差別や遮断をブロードバンドプロバイダーに禁じる規定「Open Internet Rules」の方針を維持しつつ、インターネット接続事業者(ISP)が契約を結んだコンテンツプロバイダーなどを優先的に扱うことを認める内容が盛り込まれている。

 有料の追い越し車線(ファストレーン)の設定を許可するような提案に対して多方面から反発の声が上がっており、米Googleや米Netflix、米Amazon.com、米Facebook、米Microsoft、米Twitter、米Yahoo!らを含む約150社のインターネット関連企業が、5月7日に連名で抗議の書簡を送っている(関連記事:GoogleやFacebookなどWeb関連企業がFCCに抗議、ネット中立性巡り)。

 FCCは改定案の手続きを進めるか判断するための投票を5月15日に実施。Wheeler委員長のほかJessica Rosenworcel委員とMignon Clyburn委員が賛成票を投じ、3対2で可決したため、NPRM公布によって意見公募を開始した。公募期間は7月15日まで。

 米メディアの報道(Wall Street JournalNew York Times)の報道によると、賛成票を投じた3人はいずれも民主党系で、反対に回った共和党系の2人は「FCCの権限の範囲を逸脱している」との考えを示している。Wheeler委員長は年末までに規制を完成させたいと考えている。

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