写真●講演する向井治紀・内閣官房審議官
写真●講演する向井治紀・内閣官房審議官
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 内閣府番号制度担当室長の向井治紀・内閣官房審議官(写真)は2014年5月15日、2016年スタートの行政手続番号法(マイナンバー制度)の民間利用について、「ネットバンキングの申し込みなどに公的個人認証の利用が考えられる」と述べ、個人番号カードによる公的個人認証の民間活用が有望な形態の一つになると指摘した。「富士通フォーラム2014」の講演で語った。

 個人番号カードは住基カードを廃止して乗り換えられる。個人番号カードでは、対面で本人確認と番号確認が同時にできる。また、2017年1月をめどに開始する「マイ・ポータル」(情報提供等記録開示システム)のログイン手段として公的個人認証に利用される。番号法の改正で個人番号カードによる公的個人認証は、民間にも開放される。

 個人番号の利用範囲は現行法では税と社会保障、災害対策の3分野。向井審議官は、それ以外にも「社会保障、地方税、防災に関する事務その他これらに類する事務であって、地方公共団体が条例で定める事務」に利用できると指摘。地方で考えられる利用法の一例として、「地方自治体での『婚活』が社会保障に類するとはいえると思うので、条例でマイナンバーは使える」と語った。

 また、個人番号カードに符号を記録するICチップの空き容量について、条例や政令でほかの事務にも利用できると指摘。現在も住基カードを地方の図書館カードの代わりに使う自治体があるなど、自治体が条例で定める事務や、国が政令で定める事務にも利用できるという。