写真●日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当 ヴィヴェック・マハジャン氏
写真●日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当 ヴィヴェック・マハジャン氏
[画像のクリックで拡大表示]

 日本IBMは2014年5月15日、同社のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)戦略について説明会を開催、新たなSaaSソリューションを5種類発表した。

 今回同社が発表したのは、統合管理ソリューションの「IBM SmarterCloud Control Desk」、パフォーマンス管理ソリューションの「IBM Performance Management」、ワークロード管理ソリューションの「IBM Workload Automation」、資産管理および保全管理ソリューションの「IBM Maximo Asset Management」、そして在庫管理ソリューションの「IBM Maximo Inventory Insights」だ。

 IBM SmarterCloud Control Deskは、ナレッジマネジメント、サービス資産や構成管理、サービスカタログ管理、リリースおよび導入管理、インシデント管理、財務管理、サービスレベル管理、問題管理などが可能なSaaSソリューション。IBM Performance Managementは、アプリケーションのパフォーマンスや可用性、ユーザーエクスペリエンス管理を支援する。IBM Workload Automationは、メインフレームやグリッドコンピューティングなどさまざまな環境にわたり、複数のアプリケーションとシステムのワークロードを管理する。

 IBM Maximo Asset Managementは、資産管理、作業管理、サービス管理、契約管理、在庫管理、調達管理の管理モジュールを備え、共通基盤で資産を管理。IBM Maximo Inventory Insightsは、Maximo Asset Managementから在庫データを自動的に取得し、事前構成済みの予測分析モデルを適用し、在庫トランザクションのパターンを明確にする。

 これらのソリューションは、同時に発表したポータルサイト「IBM Service Engage」にて試すことが可能。同サイトでは、サンプルデータが組み込まれた製品にアクセスできる「ライブ・デモ」や、ユーザー自身が想定したデータを実際の製品に入力して評価する「30日トライアル」を提供している。

 日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏(写真)によると、同社では自社開発したソリューションと買収したソリューションを合わせ、既に100以上のSaaSポートフォリオを抱えており、国内のエンドユーザー数も50万人以上に上るという。「IBMはフロントオフィスからバックオフィスまで包括的なソリューションを用意する。全てのソリューションは、エンタープライズレベルのセキュリティと可用性、拡張性を備えている」とマハジャン氏は説明する。

 「SaaSは、コスト削減の手段ではなく、イノベーションを起こすための手段。新しいことを始める際に最初から大きな投資はできないため、スモールスタートして大きく伸ばすためにSaaSを活用するのだ」とマハジャン氏。IBMにとってもクラウドは成長の原動力だとマハジャン氏は述べ、今後日本でのデータセンター設置も含め継続的にSaaSに投資していくとした。