写真●2014年3月期の連結決算を発表するNTTの鵜浦博夫社長
写真●2014年3月期の連結決算を発表するNTTの鵜浦博夫社長
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 NTTは2014年5月13日、2014年3月期の連結決算(米国会計基準)を発表した。売上高は前期比2.1%増の10兆9251億円、営業利益は同1.0%増の1兆2136億円と増収増益だった。増収は4期連続。純利益は不動産の売却などで同12.2%増の5854億円となり、直近6年間では最高益を記録した。

 2014年3月期の連結営業利益は、移動通信事業(主にNTTドコモ)が端末購入補助(月々サポート)の拡大、データ通信事業(主にNTTデータ)が不採算案件の影響で、それぞれ減益を記録。ただ、地域通信事業(主にNTT東西)では光の解約抑止や業務効率化、年金費用の減少などにより、大幅な増益を確保。全体では前期比117億円増に着地した。

 主力のグローバルクラウド事業は好調。海外売上高は前期比2419億円増の1兆1960億円に拡大した。海外子会社のグループ連携によるクロスセルの受注額は、2013年3月期の1億4300万ドルから、2014年3月期に7億ドルまで伸びた。海外売上高はグループ全体の成長をけん引する規模に拡大しており、2017年3月期に200億ドルに伸ばす計画を描く。

 2015年3月期の連結業績予想は、売上高が過去最高の11兆2000億円(前期比2.5%増)、営業利益が1兆2150億円(同0.1%増)を見込む。NTTドコモは大幅な減益となる見通しだが、「NTTデータの増益を含め、グループ全体でカバーして前年並みを確保する」(鵜浦博夫社長、写真)。

 NTT東西のフレッツ光の累計契約数は2014年3月末時点で1805万件。2014年3月期の年間純増数は75万件。NTT東日本は6年ぶりに前年の純増数を上回った。2015年3月期は70万件の純増を見込む。