英Canalysが現地時間2014年5月12日に公表した市場調査によると、同年第1四半期(1~3月)におけるスマートフォンの世界出荷台数は2億7940万台で、前年同期に比べ29%増加した。

 OS別の出荷台数シェアは米Googleの「Android」が81%で首位。これに、米Appleの「iOS」が16%、米Microsoftの「Windows Phone」が3%で続いた。

 メーカー別出荷台数シェアは、韓国Samsung Electronicsが31%で首位を維持し、Appleの16%を大きく上回った。また上位10社には中国メーカーが5社入った。中国メーカーのそれぞれの順位は、Huawei Technologies(華為技術)が3位、Lenovo Group(聯想集団)が4位、Xiaomi(シャオミ=小米科技)が6位、Yulong Computer Telecommunication Scientific(宇竜計算机通信科技)が8位、ZTE(中興通訊)が9位。中国市場は世界の出荷台数の35%を占めており、米国市場の12%を大きく上回っている。

 Canalysによると、第1四半期は画面サイズが5インチ以上の端末の出荷台数が前年同期比369%増と急成長した。世界の全出荷台数に占める5インチ以上の比率は34%。この数値は香港、台湾などを含むグレーターチャイナでは39%、アジア太平洋地域では43%となる。

 大画面スマートフォンの市場でリードしているメーカーも同じくSamsung。同社のシェアは5インチ以上の端末では44%、5.5インチ以上の端末では53%になる。ただしLenovo、Huawei、LG、ソニーモバイルコミュニケーションズなどのメーカーも、高価格帯製品でこの市場向けの出荷台数を増やしている。Canalysによると、高価格帯の製品カテゴリーでは大画面化の傾向がはっきりと表れているという。

 なお価格が500ドル以上の製品カテゴリーでは、47%が5インチ以上のディスプレイを備えている。残りの53%のうち、87%がAppleのiPhoneだという。Canalysによると、消費者が高価格端末に期待しているのは大画面。Appleにはこの分野の製品がないが、そうした状態は長くは続かないとCanalysは指摘している。

 「iPhoneの競争力を維持するために、Appleが大画面を必要としていることは明白。Appleは今後数カ月のうちにこの問題に取り組むだろう」とCanalysは予測している(関連記事:「iPhone 6」の発売は8月に、台湾の経済日報が報じる)。

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