写真1●日立製作所の東原敏昭社長兼COO(最高執行責任者)
写真1●日立製作所の東原敏昭社長兼COO(最高執行責任者)
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写真2●日立製作所の中村豊明副社長
写真2●日立製作所の中村豊明副社長
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 日立製作所は2014年5月12日、2014年3月期の連結決算を発表した。売上高は2013年3月期比6.4%増の9兆6162億円、営業利益は同26.3%増の5328億円で、23年ぶりに過去最高益を更新した。純利益は同53.1%増の3640億円だった。

 情報・通信システム部門は、売上高が2013年3月期比9%増の1兆9549億円、営業利益は同53億円増の1100億円となった。為替影響に加え、サービス事業やATMが好調で増収を果たした。

 日立は決算と合わせ、2016年3月期までの中期経営計画の進捗状況も発表した。記者会見した東原敏昭社長兼COO(最高執行責任者、写真1)は、米国での省エネ関連事業や英国での鉄道システムを例に「情報とインフラの融合ソリューションがあちこちで出始めている」と強調。「営業力を付けて拡販していけば、(2016年3月期に目標とする売上高)10兆円の手応えが出てくる」と力を込めた。

 さらにアジア地域だけでなく、北米や中国に経営資源を集中すると表明。ストレージや医療機器など「プロダクトを強化することで売り上げ規模の拡大」(東原社長)を図り、中国市場での昇降機保守など「サービスで収益を拡大していく」(同)方針を示した。

 同日発表した2015年3月期の連結業績予想は、営業利益が前期比5.1%増の5600億円と、2期連続で最高益更新を見込む。売上高は同2.2%減の9兆4000億円となる見通し。

 情報・通信システム部門では事業区分を変更する。新区分での2015年3月期の売上高は前期比1%増の1兆9500億円、営業利益は同294億円増の1360億円になる見通し。「通信ネットワーク事業が減少するが、ストレージソリューションやITサービスを伸ばして増収を実現する。プロジェクト管理を徹底して赤字を抑え、増収を果たしたい」と、記者会見した中村豊明副社長(写真2)は述べた。