写真1●Intel 9シリーズチップセットの概要
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写真2●Intel Z97/H97の主な機能
写真2●Intel Z97/H97の主な機能
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写真3●Intel 9シリーズチップセットの発表に合わせて追加されたデスクトップPC向けCPUの主なモデル
写真3●Intel 9シリーズチップセットの発表に合わせて追加されたデスクトップPC向けCPUの主なモデル
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 インテルは2014年5月12日、新型チップセット「Intel 9」シリーズを発表した(写真1)。現行の第4世代Coreプロセッサー(開発コード名はHaswell)に加え、将来登場する第5世代Coreプロセッサー(同Broadwell)にも対応する。PCI Express 2.0 x2で接続するM.2インタフェースを正式にサポートしており、M.2接続のストレージを起動ドライブにできる。

 インテルが発表したのは「Intel Z97」と「Intel H97」の2モデル。Z97は、CPUを規定外の周波数で動かす、いわゆるオーバークロック動作に対応した上位モデル。H97はオーバークロックには非対応だが、Z97が対応しない業務向け機能「スモール・ビジネス・アドバンテージ」が利用できる(写真2)。対応しているインタフェースの種類や数は従来のチップセットであるIntel 8シリーズとほぼ同等。USB 3.0ポートは最大6個、Serial ATA 6Gbpsポートは最大6個、PCI Express 2.0 x1は最大8レーンとなっている。

 Intel 8シリーズに対する強化点は主に3つ。いずれも小さな改良だ。一つは、PCI Expressで接続するM.2インタフェースに対応した点。M.2インタフェースはSerial ATAやPCI Expressなどでデバイスを接続できる規格。Intel 9シリーズでは、PCI Express 2.0 x2を利用して、最大1Gバイト/秒でM.2インタフェースのストレージを接続できる。M.2接続のストレージも起動ドライブとして使える。

 二つめは、ストレージのドライバー「ラピッド・ストレージ・テクノロジー」(RST)の強化。SSDをHDDのキャッシュとして利用することで応答性を高める「スマート・レスポンス・テクノロジー」(SRT)における、「SSHD」などと呼ばれるSSDキャッシュを内蔵したHDDの処理性能向上や、キャッシュ用SSDにメインメモリーの内容を保持することでスリープ状態から高速に復帰する機能「ラピッド・スタート・テクノロジー」とSRTの両立などが含まれる。

 三つめは「デバイス・プロテクション・テクノロジー」の搭載。BIOSの改ざんをハードウエアレベルで監視し、不正なソフトウエアによる改ざんを検知したらPCが起動する前に停止することでシステムを保護する。

 インテルは、Intel 9シリーズ発表と同じタイミングでデスクトップPC向けCPUに新モデルを追加した(写真3)。現行の第4世代Coreプロセッサー、Pentium、Celeronの動作周波数を引き上げたもので、最上位のCore i7-4790はターボ機能が動作したときの最大動作周波数が4GHzになった。