写真●NEC Information Assessment System V3.1の画面
写真●NEC Information Assessment System V3.1の画面
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 NECは2014年5月9日、不要ファイルを検出したファイルサーバーのデータ量を減らすソフトの新版「NEC Information Assessment System V3.1」(NIAS)を発表、同日販売を開始した。5月30日から出荷する。新版では、管理サーバーを階層化し、拠点に分散配置できるようにした。これにより、統合管理サーバー1台で1ペタバイトまでのデータを管理できるようにした。

 NIASは、ファイルサーバー上にある不要ファイルの候補を検出することによって、ファイルサーバーのスリム化を支援するソフトである。NASストレージやWindowsファイル共有サーバーなど、CIFS方式で動作している複数のファイルサーバーを対象に、データの肥大化の原因となっている不要ファイルを検出して提示する。これを削除することによってスリム化する。

 大きく三つの機能で構成する。まず、ファイルサーバーの利用状況とデータの増加予測を調べて提示する(写真)。この上で、このデータを元にし不要ファイルのリストを作成し、ファイルの利用者にメールで送付して整理(削除)を依頼する。整理を自動化することも可能で、重複しているファイルや長期間未参照のファイルなど、あらかじめ設定した整理ルールに合致したファイルを自動的に削除する。

拠点ごとに管理サーバーを分散配置、全体で1PBまで管理可能に

 今回の新版では、管理サーバーを階層型で運用する「マネージャーオブマネージャー」の形態で運用できるようにした。複数拠点にファイルサーバーが分散している場合に、個々の拠点ごとに拠点用の管理サーバーを置き、この拠点ごとの管理サーバー群が集めた拠点のデータを本社の統合管理サーバーに一元的に集約して管理できるようにした。

 管理サーバーを階層化して各拠点に配置できるようにしたことにより、管理可能なファイルサーバー容量が従来比で20倍となる1ペタバイトにまで拡大した。さらに、管理サーバーからインターネット経由で各拠点のファイルサーバーに接続して集計する従来の構成と比較して、集計結果を表示するまでにかかる時間を10倍(10拠点の場合)に高速化した。

オプションでファイルサーバーへの容量割り当ても可能に

 さらに、今回の新版から、人事移動などにおいてユーザーにファイルサーバーの容量を割り当てる業務を、NIASから実施できるようにした。このためのオプション「リソース管理オプション」を用意した。これを使うと、フォルダーの作成、クオータ(ユーザーが利用できる最大容量)の設定、アカウントの作成、アクセス権の割り当て、などをNIASから行える。NIASからActive Directory上のユーザーデータを直接作成/修正することもできる。

 NIASの稼働OSは、Windows Server 2008/2012、Windows Storage Server 2008/2012。価格(税別、以下同)は、管理データ量に依存し、1Tバイトの最小構成で50万円。リソース管理オプションの価格は、50万円から。