韓国Samsung Electronicsは同社が中心となって開発に取り組んでいるモバイルOS「Tizen」を搭載したスマートフォンをロシアとインドでリリースする。米Wall Street Journalが現地時間2014年5月11日に報じた。

 Samsungは先月、Tizenスマートフォンを少なくとも2機種準備していることを英Reutersに明かした。ハイエンドモデルを2014年第2四半期の終わり頃に、その後ミッドレンジモデルを投入するという(関連記事:Samsung、Tizen搭載スマホを第2四半期にリリースへ)。第3のOSとして注目されるTizenは、当初、NTTドコモなどが2013年に搭載端末を導入する予定だったが、相次いで延期されている。

 今回の報道によると、Samsungは数週間以内にロシアのモスクワでTizen搭載端末の発表イベントを開催する。同社がフラッグシップ機をリリースするやり方と同様に、イベント開催中にロシア向けリリースが実施される見通し。イベントの開催時期は6月前半あたりと見られる。

 また米Westside Storyは、ロシアに少し遅れてインドでも発売されると伝えている。現時点で、Samsungが年内にTizenスマートフォンを米国に投入するとの情報は無い。

 Samsungのモバイル端末の大半は米GoogleのAndroidを採用しているが、Samsungは今後Androidへの依存度を減らし、Tizenベースの独自のエコシステムを築きたい考えだという。今年2月には、Tizenを採用した腕時計型ウエアラブルデバイス(スマートウォッチ)「Gear 2」と「Gear 2 Neo」を発表している(関連記事:[MWC2014]Samsung、Tizenベースのスマートウォッチ2機種を4月発売)。