インテルは2014年5月9日、5月14日から開催される「組込みシステム開発技術展」の展示内容についての説明会を実施し、IoT(Internet of Things)ゲートウエイの開発キットや産業機器を集約できる「産業用ソリューション・システム・コンソリデーション・シリーズ」を紹介した。
IoTゲートウエイ開発キットは「DK 100」「DK 200」「DK 300」の3モデルある(写真1)。DK 100とDK 200は低消費電力プロセッサーのQuark SoC X1020Dを搭載。DK 300はQuarkより性能の高い組み込み向けのAtom E3826を搭載する(写真2、写真3)。ボードと無線モジュール、シャシー、電源ユニットといったハードウエアのほか、米インテルの子会社である米ウインドリバーのOSやツールが付属する。出荷開始は2014年後半。価格は3000~4000ドルの見込み。開発ツールではなく、ランタイムが付属する「量産キット」も商品化する。
産業用ソリューション・システム・コンソリデーション・シリーズは組み込み機器向けのCore i7を搭載したコンピュータ(写真4)。PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)やモーションコントローラーなど、これまで個別に用意した機器で実行していた処理を一つの機器に集約することで、管理・運用のコストや設置面積を削減できるようにする(写真5)。ウインドリバーのLinuxや「Hypervisor v2.0」「VxWorks v6.9」、開発ツールが利用できる。近日中に出荷予定で、こちらも価格は3000~4000ドル。
説明会には、インテルIoTソリューションズ事業開発部プラットフォーム事業開発の安齋尊顕事業開発マネージャーが登壇した(写真6)。「IoTは言葉が先行している印象で、ビジネスのイメージを持っている人は少ない。IoTデバイスはそれ自身が目的やビジネスにならない。IoTで得られたデータを価値に変えないと意味がない」として、米国での医療や気象予報、車両や交通機関の運行、スタジアムでIoTを利用したシステムを顧客満足度向上やコスト削減などに活用した事例を紹介した。
説明会では、マカフィーやウインドリバーの担当者も登壇した。マカフィーエンベデッドソリューション営業本部の南谷勝典本部長は「IoT端末の限られたリソースでは定義ファイルを随時ダウンロードして利用するのは難しい。サポートも長期間必要になる」とIoT端末でのセキュリティ確保には、PCやスマートフォンとは異なる考えが必要であると説明。インテルのIoTゲートウエイ開発キットが採用しているマカフィーの「Embedded Control」は、ホワイトリスト方式を採用し、登録されたプログラムのみ動作することやプログラムの改ざん防止機能を備えることによりセキュリティを確保しているとした。