写真1●KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏
写真1●KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏
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 KDDIは2014年5月8日、都内で2014年夏モデル発表会を開催し、ネットワークやサービス、新端末について発表した(関連記事)。

 発表会に登壇したKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「auの契約者数が4000万人を超え、NTTドコモとの違いがなくなってきたのではとの指摘がある。今後のauは、あらゆる分野で期待を超える価値を提供したい」と方針を述べた(写真1)。発表会ではネットワークや端末、サービス、サポートについての最新情報を発表したが、料金については「以前に言及した通り、このタイミングでは発表しない」と発表を控えた。

800MHz帯は99%超、2.1GHz帯は85%超にそれぞれ到達

 ネットワークについて田中氏は「広いエリアというカバレッジだけでなく、どこでも高速に使えることも重要だ」と語り、エリアと速度の両面について強化点を発表した。

写真2●800MHz帯の実人口カバー率は99%に、面積比では1.5倍に拡大
写真2●800MHz帯の実人口カバー率は99%に、面積比では1.5倍に拡大
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 エリアについて、これまで「プラチナバンド」の名前で展開してきた800MHz帯のLTEでは、2013年3月時点で96%だったカバー率が2014年3月14日には99%を超えたことを挙げ、「日本のどこにいてもLTEのアイコンを見ていただけるはず」(田中氏)とアピールした。

 カバー率が1年間で3%ポイントしか上昇していない点については、「auは実人口カバー率でエリアを表示している。都心では1つの基地局で多くの人口をカバーできるが、人口密度の低い地方ではカバー率がなかなか上がらない。その証拠に、面積比ではエリアは1.5倍まで拡大した」と補足し、カバー率向上の困難さを語った(写真2)。

写真3●KDDIによるCA(キャリアアグリゲーション)のロゴマーク
写真3●KDDIによるCA(キャリアアグリゲーション)のロゴマーク
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 800MHz帯の拡大以前から展開してきた2.1GHz帯のLTEについては、2014年3月26日でカバー率が85%を超えたことを説明。今年度末となる2015年3月末には90%超へ拡大する見通しを示し、「エリアはダントツ」のキャッチフレーズを改めて強調した。

 速度については、新施策として「CA(キャリアアグリゲーション)」と「WiMAX2+」への対応を挙げた。CAは、auが提供している800MHz帯と2.1GHz帯の2つの電波を束ねて利用するLTE-Advancedの技術。発表にあたって、2つのバンドを矢印状に示した新しい「CA」のロゴマークを披露した(写真3)。