写真1●LTE-Advanced(CA)とWiMAX 2+のダブル搭載で実効速度No.1を目指すとしたKDDIの田中孝司社長
写真1●LTE-Advanced(CA)とWiMAX 2+のダブル搭載で実効速度No.1を目指すとしたKDDIの田中孝司社長
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写真2●今回が初公開となったKDDIのキャリアアグリゲーションのロゴ
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 「LTE-Advanced(CA)とWiMAX 2+のダブル搭載で実効速度No.1を目指す」(写真1)--。KDDIが2014年5月8日に開催したau夏モデル発表会にて、同社の田中孝司社長はこのように述べた(関連記事:KDDI、スマートフォン夏の新モデルなど計8機種を発表)。

 今回の発表会でKDDIは、既に今夏に開始するとアナウンスしていたLTE-Advancedの要素技術「キャリアアグリゲーション(CA)」(関連記事:KDDIが今夏キャリアアグリゲーション導入、年度末に対応局を2万局に)に対応した端末(スマホ5機種、タブレット1機種)を発表した(写真2)。それに加えてこれらの端末すべてで、UQコミュニケーションズが提供する最大110Mビット/秒のTD-LTE互換サービス「WiMAX 2+」も利用できるようにした。

 LTE-Advanced(CA)とWiMAX2+の電波環境をネットワーク側で判断し、最適なネットワークに自動接続するという。さらにアンテナピクトについてはLTE-Advanced(CA)とWiMAX 2+のいずれも「4G」で統一し、一般ユーザーはどちらのネットワークに接続しているのか判別できない仕様としている。

 田中社長は「今のところWiMAX 2+のネットワークは空いているので、かなり実効速度が出るだろう」と強調する。NTTドコモの加藤薫社長は4月末に開催した決算会見の席で「KDDIのキャリアアグリゲーションは現在、LTE端末で使われている周波数帯(2GHz帯と800MHz帯)を組み合わせて150Mビット/秒サービスを実現するため、既存ユーザーの影響などから実際は速い速度を享受できる人は少ないのではないか」と指摘していた(関連記事:ドコモも14年度内にLTE-Advanced、最大225Mビット/秒のキャリアアグリゲーション)。

 KDDIが用意した夏モデル端末はLTE-Advanced(CA)とWiMAX 2+のダブル搭載とすることで、このような懸念を払拭した格好だ。WiMAX 2+はこれまで東名阪地区を中心としたエリア展開だったが、ここに来て全国へと拡大しており、年度末には2万局規模になるという。