台湾エイスーステック・コンピューター（ASUS）は2014年4月28日、マザーボード新製品を5月11日に発売すると明らかにした。新製品は、インテルのチップセット「Z97」を搭載する11製品と、「H97」を搭載する5製品（写真）。自作パソコン全般向けの「スタンダード」、オーバークロッカー（CPUをクロックアップして使うユーザー）およびゲーマー向けの「R.O.G.（Republic of Gamers）」、高耐久特化製品の「TUF（The Ultimate Force）」の3シリーズに分類される（表）。
スタンダードシリーズは、UEFI BIOS（Unified Extensible Firmware Interface仕様のBIOS）を一新し、ファンコントロール機能「Q-Fan」とオーディオ機能を強化。現行製品から引き続き、LAN機能にインテルのチップを搭載する。
UEFI BIOSは、ウィザード形式によるオーバークロックとRAIDの設定機能である「EZ Tuning Wizard」を新たに搭載した。また、メモリーのオーバークロック動作に関するXMP（eXtreme Memory Profile）を簡単に設定できるようにした。また、お気に入り設定項目登録機能が強化されている。
ファンコントロール関連では、細かくファンを設定するためのWindows用ユーティリティ「Fan Xpert 2」の機能を強化して「Fan Xpert 3」とした。参照する筺体内の温度センサーを選択可能にし、CPUファンを限界まで低回転で動作させる「Extreme Quietモード」などを加えている。
オーディオ機能には、アナログ回路へのノイズの影響や左右チャンネル間の干渉を最小限に抑えたり、電源投入時のポップノイズを防止したりする仕組みを持たせた。新製品でもインテルのLANチップを搭載するのは、CPU負荷が少なく高速なためとしている。
なおスタンダードシリーズの新機能と機能強化に関しては、一部対象外となる製品がある。ファンコントロール機能の強化は、H97-PLUS、H97M-PLUS、H97M-E、H97I-PLUSが対象外。インテルのLANチップ搭載は、Z97-K、H97-PLUS、H97M-Eが対象外である。
R.O.G.シリーズは、既存のキーボードをゲーム用にする「KeyBot」を新たに搭載。これはハードウエアで動作する機能で、設定はWindowsアプリで行う。USB端子に、5Vを安定供給し電圧が降下しにくくした「TrueVolt USB」を加えた。またLAN周りを強化。スタンダードシリーズと同様にインテルのLANチップを使用し、さらに静電気対策とノイズ対策を施した「LANGuard」と呼ぶLANポートを搭載した。
また音質向上を図った設計として、150Ωのヘッドホンまで対応する「Sonic Sense」アンプを新たに搭載。再生するコンテンツに合わせて音質を変えられる「Sonic Stage」を搭載した。Sonic Stageの設定はWindowsアプリで行う。
TUFシリーズは、CPUからは独立して動作し、主に温度監視とファン制御の処理を担当する「TUF ICe」と呼ぶプロセッサー、および放熱性能を高めた新型チョークコイル「TUF New Alloy Chokes」を搭載。起動時や一定時間ごとにファンを逆回転して、ファンに付着した埃を飛ばす「Dust de-Fan」機能を加えた。このほか「Thermal Radar」の機能を強化して、ビデオカードのファン制御機能を加えた「Thermal Radar 2」とした。
なおTUFシリーズも、一部新機能は対象外製品がある。Dust de-Fanは、GRYPHON Z97が対象外製品となる。
新製品の価格に関する情報は、後日発表する。
