山陰・山陽スマート観光プロジェクト推進協議会と総務省 中国総合通信局は、「スマート観光情報インフラ」の技術、アイデア、事業化モデルなどに関する各種の実証実験・パイロット事業を2014年度に実施する。

 具体的には、2014年5月末ごろに広島市の平和記念公園(原爆ドーム周辺)でGoogle Glassを活用したAR観光アプリ(広島P2ウォーカーなど)の実証デモンストレーションを実施する。これは、中国総合通信局が実験試験局の免許を交付したGoogle Glassの実機を用いて行うものであり、「国内で初めて実施される屋外公開デモ」という。ソフトバンクモバイルからの提案と広島市の協力を踏まえて同協議会と中国総合通信局が企画し実施する。このほか、6月中旬にAR・多言語対応の観光コンテンツがすでに整備されている出雲大社周辺と現在整備中の石見銀山周辺をめぐる「スマート観光体験バスツアー」の実施も計画する。

 中国総合通信局と山陰・山陽スマート観光プロジェクト推進協議会は、4月21日に広島市内で平成26年度定期総会を開催した。平成25年度の事業報告などの承認に引き続き、同協議会が平成26年度から本格的に活動を開始するために必要となる設置要綱の改正や、同年度の事業計画と予算が承認された。

 同協議会は、外国人や高齢者に優しく若者をひきつける最先端の観光情報インフラを「スマート観光情報インフラ」として、その整備に取り組む自治体を産学官の連携により応援することを目的とする。平成26年度は、その目的を達成するため、広島市、大田市、岩国市などが取り組む観光コンテンツのリッチ化(動画充実、音声読み上げ、多言語化など)の支援を行うほか、「スマート観光情報インフラ」の実証実験・パイロット事業を実施する。これは、会員からの提案に基づき実施する事業で、観光地と連携して実証・PRを行いたい企業側とそうした取り組みを誘致したい自治体側のニーズのマッチングにより行うものである。

 21日は、総会のあとセミナーが行われ、「島根県大田市の石見銀山スマート観光計画」「ソフトバンクモバイルのふらっと案内ARアプリ」「常盤商会の観光ナビゲータシステム」「マツケイのSkyWareアプリ」などのプレゼンが行われた。特に、ソフトバンクモバイルのプレゼンテーションでは、Google Glassの実機を用いた実演も行われた。国内初の屋内デモという。

 なお、同協議会の自治体の会員は当初、広島市、大田市、廿日市市、岩国市、島根県の5団体だったが、さらに、出雲市、岡山市、松江市が入会し、現在は8団体となっている。

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