米Microsoftが現地時間2014年4月24日に発表した2014会計年度第3四半期(2014年1~3月)の決算は、売上高がほぼ横ばいで減益となったが、市場予測を上回った。消費者向けハードウエアと企業向けクラウドが健闘した。

 当期の売上高は204億300万ドルで、前年同期の204億8900万ドルをわずかに下回った。会計原則(GAAP)ベースの純利益は56億6000万ドルで前年同期比7%減少、希薄化後の1株当たり利益は0.68ドルで同6%減少した。営業利益は同8%減の69億7400万ドルだった。

 WindowsとOfficeのアップグレードキャンペーンの繰延収入、OEMへの先行販売分、欧州委員会に科せられた制裁金などの影響を除いた非GAAP(会計原則)ベースの場合、売上高は前年同期比8%増、希薄化後の1株当たり利益は同5%増、営業利益は同4%増となる。

 消費者向け事業であるデバイスおよびコンシューマー部門は、売上高が前年同期比12%増の83億500万ドルだった。「Windows」や「Office」などのライセンス収入は43億8200万ドルで同1%の微増。「Surface」や「Xbox」などのハードウエア収入は19億7300万ドルで同41%増と急伸した。「Bing」「Xbox LIVE」などオンラインサービスとその他の収入は19億5000万ドルで同18%増加した。

 Windows OEM収入は前年同期比4%増加し、「Windows XP」サポート終了の影響で特にOEM Pro収入が19%増加した。Office関連は同15%増と好調。「Office 365 Home」の登録ユーザーは440万人にのぼり、前期から100万人近く増えた。

 Surfaceの売り上げは4億9400万ドルで前年同期から50%以上成長した。Xboxの販売台数は200万台で、そのうち最新モデル「Xbox One」は120万台だった。

 オンライン広告収入は前年同期比16%増加。検索広告は同38%成長したが、ディスプレイ広告は同24%減少した。

 企業向け事業であるコマーシャル部門は、売上高が122億2500万ドルで前年同期比7%増加した。ライセンス収入は同3%増の103億2300万ドルとなり、Windowsのボリュームライセンスは11%増、Officeは6%増だった。各種クラウドサービスと企業向けサービスを含むその他収入は190億200万ドルで31%増加。クラウド関連の収入が101%急伸し、Azureは150%成長した。Office 365のシート数は98%増加した。

 アナリストらの予測は、売上高が203億9000万ドル、1株当たり利益が0.63ドルだった。「予想より小幅の減益にとどまった」と、複数の米メディア(New York TimesWall Street Journalなど)は報じている。決算発表を受け、同社の株価は時間外取引で2.5%上昇した。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]