写真●ヤマトホールディングスでIT戦略担当シニアマネージャー(ヤマト運輸の情報システム部長を兼務)を務める田中従雅氏
写真●ヤマトホールディングスでIT戦略担当シニアマネージャー(ヤマト運輸の情報システム部長を兼務)を務める田中従雅氏
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 ヤマトホールディングスでIT戦略担当シニアマネージャーを務める田中従雅氏は2014年4月23日、ガートナージャパンの「ITインフラストラクチャ&データセンターサミット2014」で講演し、現在開発を進める「第8次NEKOシステム」で、「ハードとソフトを分離する」と語った(写真)。

 従来、ヤマトはセールスドライバーが使う業務端末について、ハードとソフトが一体となった専用機を開発し、導入していた。8次NEKOでは、アジア展開の加速やコスト低減を見据え、ハードは汎用の端末を採用する一方、ソフトは自社で開発する方針に転換する。既に中国・上海やマレーシアは、ハードを現地で調達し、試験的に業務に活用し始めているという。

 田中氏は「NEKOシステムは刷新のたびに、何かにチャレンジしている」と話す。ハードとソフトの分離は、8次NEKOにおけるチャレンジの一つと位置付けている。

 ハードとソフトの分離のほかに、田中氏は8次NEKOにおける二つのチャレンジを明らかにした。一つが「グローバル化・グループ共通化」だ。これは日本のNEKOシステムとアジアの“スモールNEKOシステム”の共通化を指す。「日本とアジアのシステムが異なっていると、何かすると必ずダブルコストになる。システムはグローバルで一本化しなければいけない」(田中氏)。

 もう一つが「送り状情報のデジタル化」だ。田中氏は「フルデジタル化は永遠のテーマ」と語る。デジタル化を推進することで、ヤマトは将来的に、システムがセールスドライバーに対して最適な集配ルートを指示し、業務効率を高める姿を描く。