日本ヒューレット・パッカード(HP)は2014年4月24日、ミッションクリティカル環境向けのストレージ製品「XP7 ストレージ」を発表、同日発売した。従来モデルから読み書き性能を大幅に引き上げたほか、最大内蔵ドライブ数を増やし、消費電力を低減した。最小構成での価格(税別)は6899万円。

 XP7 ストレージは「XP P9500」の後継製品。99.9999%の可用性をうたう。FIPS 140-2に準拠した暗号化の機能、ホストなしにオンラインでデータを移行する機能、オンラインデータ移行中にディザスタリカバリーする機能、複数のXP7のアレイを束ねて仮想的なアレイにする「XP7マルチアレイ仮想化」機能などを備える。

 読み書き速度の向上もXP7の特徴の一つ。FMD(フラッシュ・モジュール・ドライブ)を使ったRAID 1構成時だと、「バックエンドリード8K」は従来モデルの3倍に当たる300万I/O毎秒(IOPS)、「バックエンドライト8K」は3.76倍の96万I/O毎秒の性能が得られる。読み出し6割、書き込み4割のパターンだと3.53倍の156万I/O毎秒になる。ドライブを接続しているバックエンドの帯域を上げたことと、FMDの最適化により高速化したという。

 最大内蔵ドライブ数は、従来モデルの「XP P9500 2 DKC Module」では2.5インチHDDの場合に2048台、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)だと256台、FMD(フラッシュ・モジュール・ドライブ)は192台だったのに対し、新製品の「XP7 2 DKC Module」は2.5インチHDDで2304台、3.5インチHDDでは1152台、SSDは384台、FMDは192台となる。

 外部にストレージを接続したときの最大仮想容量は247ペタバイト。最大キャッシュ容量は2TB。キャッシュ容量は今後増やす計画がある。2.5インチHDDを搭載したときの最大構成時の消費電力は35.4kVA。前モデルで同等の構成だと39.8kVAだった。設置面積は従来モデルと変わらず、競合製品と比べて2割ほど少ないという。