写真●日本IBMのヴィヴェック・マハジャン専務執行役員ソフトウエア事業本部長
写真●日本IBMのヴィヴェック・マハジャン専務執行役員ソフトウエア事業本部長
[画像のクリックで拡大表示]

 日本IBMは2014年4月23日、「Cloud Foundry」ベースのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「IBM BlueMix(開発コード名)」に関する記者会見を行い、BlueMixをスタートアップ企業などに売り込む方針であることを明らかにした。米IBMはBlueMixの試用版の提供を2014年2月に開始している。

 BlueMixは、アプリケーション実行環境やデータベースなどをクラウドのサービスとして提供するものだ。インフラストラクチャーとしては米IBMのパブリッククラウドのIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)である「IBM SoftLayer」を使用する。Webアプリケーションの実行基盤や、モバイルアプリケーションのバックエンドなどに利用できる。

 日本IBMのヴィヴェック・マハジャン専務執行役員ソフトウエア事業本部長(写真)は「企業の情報システムは、従来型の業務システムである『Systems of Record』と、顧客との接点を増やしていくための業務システムである『Systems of Engagement』の二つがある。BlueMixは、後者のSystems of Engagementの開発を支援するためのサービスだ」と、BlueMixの位置づけを説明している。アプリケーションの開発者が、「DevOps」やビッグデータ活用などを容易に実現できるよう、必要なミドルウエアやデータベースをサービスとして提供していくとする。

 BlueMixが使用するCloud Foundryは、PaaSを実現するためのソフトウエアで、これまでは米ヴイエムウェアや米Pivotalが中心となって開発を進めてきた。Cloud Foundryの開発は今後、米EMC、米ヒューレット・パッカード、IBM、Pivotal、米ラックスペース・ホスティング、独SAP、米ヴイエムウェアが設立した財団「Cloud Foundry Foundation」に移行する予定である。

 IBMは、Cloud Foundryのコミュニティが開発する機能に、IBMが独自に開発した機能を追加して、BlueMixを提供する予定だ。例えば、IBM製のDevOpsツールである「JazzHub」や、IBM製のデータウエアハウスなどをBlueMixでは利用可能にする。正式サービスの開始時期等については発表していない。