NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)は2014年4月22日、アクセス回線にNTT東日本・NTT西日本の「フレッツ 光ネクスト」(NGN)を利用した広域イーサネットサービス「Master'sONE ブロードバンド・イーサ ハイグレード」を発表した。同日に申し込み受付を開始し、5月30日に提供を始める。このサービスでは、利用企業の拠点間をレイヤー2で接続する。IPアドレスを意識せずに使えるため、オンプレミスからクラウドへの移行などに向くとする。

 ブロードバンド・イーサ ハイグレードは、NGN上で提供されるIPv6接続機能を利用する。ただしIPv6で通信するのはNGN上であり、利用企業の拠点のLANではIPv4を使える。拠点のONUとルーターの間にレンタル品のコンバーターを設置。ここで、WAN側に送信したイーサネットフレームをIPv6パケットでカプセリングして、通信先の拠点へ向けて送り出す。

 従来サービスの「ブロードバンド・イーサ」と比べ、1回線当たりの帯域設計を7倍にしている。また、NGNのIPv6接続を利用することでネットワーク構成がシンプルになり、低遅延なサービスを実現。同社の検証環境で、フレッツ回線を含めた東京から東京の折り返し通信が約4ミリ秒だったという。通信経路がシンプルになったので、故障発生の可能性がある装置が減り、信頼性の高いサービスを実現したとする。このサービスには、フレッツ 光ネクストとコンバーターまでが対象となるSLAが設定されている。

 広域イーサネットの構築に必要なNTTPCのネットワーク(Master'sONEネットワーク網)とフレッツ 光ネクスト、コンバーターをNTTPCが手配。保守窓口も一元化され、Master'sONEネットワーク網とフレッツ 光ネクスト、コンバーターに関してはNTTPCが故障原因の特定と復旧を担当する。料金は、アクセス回線にフレッツ 光ネクストのファミリー系とマンション系を使う場合は月額1万7900円。フレッツ 光ネクストのビジネス系を使う場合は、月額8万7900円。初期費用はいずれの回線を使う場合も5万5000円。月額料金にはフレッツ回線、レンタルコンバーター、NTTPCのネットワークの利用料が含まれる。フレッツ回線とコンバーターは、平日午前9時~午後5時のオンサイト保守となる。初期料金には、NTTPCのネットワークの設定料とフレッツの工事料、レンタルコンバーターのオンサイト工事料(平日午前9時~午後5時工事)が含まれる。上記金額は全て税別。なお、このサービスには利用開始日から1年間の最低利用期間があり、この期間内に契約を解除すると違約金が発生する。