写真●今後の事業展開を説明するNTTレゾナントの若井昌宏社長
写真●今後の事業展開を説明するNTTレゾナントの若井昌宏社長
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 NTTレゾナントは2014年4月22日、今後の事業展開に関する説明会を開き、B2Bを中心にグローバル展開を強化する方針を発表した。説明会に登壇した若井昌宏社長(写真)は、2012年度(2013年3月期)で約300億円の売上高を、「10年後には少なくとも1000億円規模に伸ばしていきたい」とした。

 グローバル展開の柱は、クラウド型のスマートフォン実機検証サービスの「Developers AppKitBox」(DAKB)である。スマートデバイスのアプリ開発者を対象としたサービスで、実機を用意しなくても遠隔からパソコンを使ってアプリの動作を手軽に検証できるのが特徴だ。動作検証できるスマートデバイスは220機種以上。SaaS型とSI型のメニューを用意する。

 北米では、2013年10月にSaaS型サービス用のデータセンターを西海岸に設置済み。既に米国や欧州をはじめ、中国や韓国、インド、シンガポールなど100カ国以上で利用されており、全世界で5000アカウントの実績があるという。今後は自動試験ツールと組み合わせたSIの展開を北米で強化するほか、欧州への進出も予定する。スマートウォッチをはじめとした対応デバイスの拡充、新興国への展開も見据える。同日、DAKBの機能拡張も発表した(関連記事:NTTレゾがスマホ遠隔検証サービスを強化、Jenkins連携によるDevOpsなど)。

 B2Bの分野では、ほかにもヘルスケアや地域/O2O型に特化したプラットフォーム事業の強化を進めていく方針である。

 一方、B2Cの分野では、個々のサービスごとに最適化を図るのではなく、顧客の属性に応じて最適な情報を配信する行動支援型のサービス展開に切り替えていく。例えば「教えて!goo」のデータを活用すれば顧客の関心事が詳しく分かるため、検索ログやその他のログと組み合わせて精度の高いレコメンドや広告表示が可能になる。実際、訪問当たりのページビューや閲覧サービス数が上昇するといった効果が出ているという。

 さらに「おもてなし検索」として、日時や場所、属性、関心事などに応じて検索結果の表示を変える取り組みを実施している。例えば30代の女性が午前9時に検索すると「ツイッター情報、ニュース情報、テレビ番組情報」の順で結果を表示するが、午後9時に検索すると「テレビ番組情報、ツイッター情報、トレンド情報(いまトピ)」の順で表示するなどである。「教えて!goo」のデータを活用したターゲティング広告も始め、高い効果を確認できているという。2014年6月に「gooポイント」プログラムも開始する。

 現状、B2CとB2Bの売上高の比率は「2:1」だが、早期にB2Bの比率を高めて「1:1」としたい考え。ただ、B2Bだけに力を入れるわけでもなく、10年以内に全体で3倍以上の成長を目指す。