写真1●「NeoFace Monitor」で顔を判定させているところ。パソコン中央に顔画像が表示されている
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写真2●ログインに成功したところ
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写真3●顔認証製品について説明するNEC第二官公ソリューション事業部の鈴木浩 事業部長(左)と穂積幸雄 応用プロダクトビジネス統括部マネージャー
写真3●顔認証製品について説明するNEC第二官公ソリューション事業部の鈴木浩 事業部長(左)と穂積幸雄 応用プロダクトビジネス統括部マネージャー
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 NECは2014年4月22日、パソコン用顔認証セキュリティソフトの新製品「NeoFace Monitor(ネオフェイス・モニター)」を発売した。NECがユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の入場管理システム(関連記事)や、香港の出入国管理システムなどの一部として納入してきた顔認証技術「NeoFace」をパッケージ化し、Windowsパソコンのログイン認証に使えるようにしたものだ。

 価格はパソコン1台当たり1万円(税別)から。別途、認証用の画像データなどを保管するサーバー用ソフトウエア30万円(税別)とハードウエア機器、システム構築費が必要になる。

 今後3年間で400社、パソコン20万台への導入を目指す。日本語版・英語版を同時にリリースし、国内だけではなく北米・アジア地域でも販売する。対応OSはWindows 7/8/8.1。今後、Androidなどへの対応も検討する。

 あらかじめサーバー用ソフトに顔画像を登録しておく。そのうえで、利用者がログインするパソコンのカメラに顔を向けると(写真1)、1秒以内に判定し、ログインが完了する(写真2)。具体的には、顔を向けるとその画像の中から目・口・鼻などの位置を検出し、それらの配置の特徴からその人であることを判定する。ログイン中も顔判定を継続し、別人と入れ替わった時に操作ができないようにする設定もできる。

 パソコンに顔を撮影するためのカメラが内蔵されていれば、別途ハードを用意する必要はない。専用ハードが必要な手のひら静脈認証や指紋認証など他の生体認証(バイオメトリクス認証)に比べて、導入の容易さがメリットになる。

 NeoFaceでは、眼鏡の有無程度なら判定に影響はない。だが、眼帯をしたり、マスクをしたりして目・口・鼻が隠れた状態では認識が難しくなる。

 第二官公ソリューション事業部応用プロダクトビジネス統括部の穂積幸雄マネージャー(写真3)は「顔の目・口・鼻を基に判定するNeoFaceでは、これらが隠れている状況には弱い。精度では虹彩や指紋による認証には及ばない。だが、カメラに顔を向けるだけで認証できるメリットがあり、精度と利便性のバランスで優れている」と説明する。