写真●Essentiaの概要(出典:オーリック・システムズ)
写真●Essentiaの概要(出典:オーリック・システムズ)
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 オーリック・システムズは2014年4月21日、Webログや購買ログなどのビッグデータを高速集計するソフト「Essentia」(写真)について、新たにクラウドサービスの形態で提供開始すると発表した。導入初期のデータ集計設定サービスを含め、米Amazon Web Services(AWS)環境で提供する。価格(税別)は、月額30万円から。開発会社は、米AuriQ Systems。

 Essentiaとは、同社が2012年11月から提供している、ビッグデータ分析用ソフトである。WebログやPOS購買データなどを取り込んで加工/集計し、集計結果をCSV(カンマ区切り形式)ファイルとして出力する。特徴の一つは、分析対象のデータをロードする際に、ZIPなどの圧縮形式のファイルのまま直接取り込めることである。これにより、ストレージ量が少なくて済む。

 もう一つの特徴は、インメモリー処理や並列処理によって、高速に動作することである。同社によると、10Tバイト(数百億件)の圧縮済みの生ログファイルを読み込んで解析する全行程を1時間以内に実現した例がある。また、第三者配信広告会社の事例では、1日当たり数億件の広告配信データをユニークID単位で処理する手段にEssentiaを利用、以前はHadoopで数時間かかっていた集計処理を50分に短縮した。

 Essentiaを使う際には、独自のスクリプトを開発する必要がある。言語体系は独自のもので、C言語に似ているという。このスクリプトを使って、データファイルの取り込み、前処理としてのデータ加工、各種の集計処理などを記述する。Google AnalyticsやSite Catalyst向けには、最初からテンプレートを提供する。また、今後は、SQLを使ってデータを加工/集計するためのフロントエンドアプリケーションを提供する予定である。