写真●Virtual Computing Platformの概要図(出典:ニュータニックス)
写真●Virtual Computing Platformの概要図(出典:ニュータニックス)
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 ニュータニックスは2014年4月21日、仮想サーバー環境の構築に特化した物理PCサーバー機「Virtual Computing Platform」(VCP、写真)の新バージョンOS「Nutanix Operating System 4.0」(NOS 4.0)を発表した。5月末以降にバージョンアップする。新版では、ストレージに重複排除機能を追加したほか、アプリケーションの重要度に応じてデータレプリカ数を変えられるようにした。

 前提となるVCPとは、仮想サーバー環境の構築に特化した物理PCサーバー機である(関連記事:ニュータニックスの分散FSサーバー機がVMware/KVMに加えHyper-Vに新対応)。最大の特徴は、外部接続ストレージを使わず、VCPが内蔵しているローカルストレージ(SSD/HDD)を使って、複数のVCPにまたがった分散ファイルシステムを構成していること。この仕組みにより、VCPの台数を増やすスケールアウトによって、CPU性能とストレージ容量をともに拡張できる。

 VCPにおいて分散ファイルシステムを実現するストレージソフトは、VMware仮想サーバーの1台にインストールしている。この仮想サーバー(仮想アプライアンス型のストレージ)は、ノードにまたがったストレージプールを構成するとともに、ノードの内部にある他の仮想サーバーから見ると、ネットワークストレージとして機能する。iSCSIまたはNFSでアクセスする。

格納データの重複排除を可能に

 今回の新バージョンOSでは、ストレージデータの重複排除機能を追加した。VCPは、キャッシュやホットデータを格納する領域(メインメモリーやSSD)を、1時間に1回のペースでスキャンし、古いデータをデータ格納領域(SSDやHDD)に移動する。この1時間ごとのデータ移動の際に、MapReduceの仕組みを使ってデータの重複を排除する。

 これに対して現行版のOSでは、メインメモリーやキャッシュ領域(SSD)を有効活用するために、これらに書かれるデータについてはリアルタイムに重複を排除していたが、データ領域(SSDおよびHDD)に書かれるデータについては、重複排除の対象外だった。

 新版ではまた、アプリケーションの重要度に合わせて冗長性の度合いを変えられるようにした。現行版のOSでは、すべてのアプリケーションについて、データのレプリカ(複製)を1個、別のノード上に作成していた。これに対して新版では、作成するレプリカの数を、最小1個から最大2個まで、アプリケーションごとに指定できるようにした。

 新版ではさらに、VCPの設定変更や操作などをWindowsコマンドから実施できるように、Windows PowerShell環境で使えるCmdletsを用意した。同コマンドのバックグラウンドで、VCPが以前から実装しているREST APIをコールして利用する形となる。これにより、REST APIを用いた運用管理アプリケーションを作成することなく、標準提供のコマンドでリモート操作できるようになった。