中国のオンライン決済サービスAlipay(支付宝)と楽天が提携したと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal中国の新華社新華網米PYMNTS.comなど)が現地時間2014年4月21日に報じた。

 楽天は先週、オンラインショッピングモール「楽天市場」の海外販売サービス「Rakuten Global Market」で、決済オプションとしてAlipayを追加した。Rakuten Global Marketに参加している約1万の販売事業者のうち、約250がAlipay決済手段の提供を開始したという。

 Alipayはここ数年、中国ECサイトにとどまらず、さまざまな実店舗の販売事業者に加え、国外のECサイトなどと提携することで積極的に事業拡大を図っている。4月9日にはヤフーとの提携を発表しており、6月からAlipayを通じて「Yahoo!ショッピング」の商品を購入できるようにする。

 Alipayはもともと、中国Alibaba Group(阿里巴巴)傘下のショッピングサイト「Taobao(淘宝)」の決済システムとして、2004年に開発された。しかし2010年に、中国の法規制に従うためとして、Alibaba設立者で当時最高経営責任者(CEO)のJack Ma氏(現会長)が運営する外部企業に譲渡された。現在中国では、Taobao以外でも多くのサイトで支払い手段として利用されている。

 楽天とAlipayの提携は、Alibabaが米国での新規株式公開(IPO)を計画する中で締結された(関連記事:Alibaba、Weiboが米国でのIPOに向け手続き開始---複数の海外メディアが報道)。Alibabaのショッピングサイトが処理する取引は、米Amazon.comと米eBayの合計を上回り、同社のIPOは2012年の米Facebookを超える規模になるとも見られている。