写真●NOWing SERVER for HPCフラッグシップモデルの外観(出典:テックウインド)
写真●NOWing SERVER for HPCフラッグシップモデルの外観(出典:テックウインド)
[画像のクリックで拡大表示]

 テックウインドは2014年4月21日、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)用途の並列処理コンピュータのハイエンドモデル「NOWing SERVER for HPCフラッグシップモデル」(写真)を発表した。5月上旬に提供開始する。米インテルのスパコンボード「Xeon Phi」を8枚搭載する。価格(税別)は、830万円。

 高さ4UのPCサーバーきょう体「SuperServer 4027GR-TR」(米スーパーマイクロ・コンピュータ製)に、拡張ボード型の並列演算スーパーコンピュータ「Xeon Phi 7120P」(米インテル製、性能は1.208TFLOPS、最大61コア)を搭載した、HPC用途のコンピュータである。Xeon Phi搭載機の中ではハイエンドモデルに当たり、これまでの2倍となる8枚のXeon Phiを搭載する。

 なお、Xeon Phiとは、拡張ボードの形状をしたx86アーキテクチャーの並列処理コンピューティングノードである(関連記事:インテル、x86コードが動くスパコンPCIボード「Xeon Phi」を2013年1月に提供)。XeonサーバーのPCI Expressスロットに装着して使う形態をとっているが、Xeonサーバーとは独立した計算ノード(Linuxホスト)として動作する。アプリケーションをXeonサーバー上で動作させつつ、高負荷な処理だけをXeon Phiにオフロードする使い方も可能である。

 Xeon Phiの最大の特徴は、GPGPU(グラフィックス処理などに向いた浮動小数点演算アクセラレータを汎用的な並列演算に利用する使い方)と比べて、プログラミングが容易なこと。コンパイルして実行させるだけであれば(並列処理の性能をチューニングしない場合)、x86向けの既存のソースコードに大きな変更を加える必要はない。一方、GPGPUの場合は、x86(CPU)向けに書かれたソースコードの中から並列処理部分を抽出し、これをGPU向けに開発し直す工程が必要になる。

 NOWing SERVER for HPCフラッグシップモデルは、CPUに12コアを内蔵するXeon E5-2697 v2×2個を採用。メインメモリーは標準で256Gバイト(16Gバイトモジュール×16枚)で、最大で768Gバイトまで搭載可能。内蔵ストレージは標準で800Gバイト(インテルのSSD DC S3500 Series)×2個(最大24個まで搭載可能)。