写真●Atlantis ILIOの概要(出典:ネットワールド)
写真●Atlantis ILIOの概要(出典:ネットワールド)
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 ネットワールドは2014年4月21日、仮想デスクトップ環境(VDI)の体感性能をストレージI/Oの削減によって高めるアクセラレータ装置の新版「Atlantis ILIO Ver.4.1」(写真)を発表した。5月30日に提供開始する。新版では、データ整合性チェックを高速化し、システム障害時の復旧時間を5分の1に短縮した。開発会社は、米Atlantis Computing。

 Atlantis ILIOは、ストレージI/Oの削減によってVDIの体感性能を高める、ストレージ高速化装置である(関連記事:ネットワールドがVDIを高速化する製品を年内出荷、ストレージI/Oを1/10に)。VMware仮想アプライアンスの形態で提供する。仮想デスクトップのイメージを格納しているストレージの前段にインラインで設置し、VDIシステムによるストレージアクセスを仲介する。VDIシステムからはAtlantis ILIOがストレージ(NFS/iSCSI)に見える。

 Atlantis ILIOがストレージI/Oを削減する仕組みは、大きく三つ。(1)アクセス手法の改善(仮想環境に特有の、4Kバイトなどの細かい単位でのランダムアクセスを、最大64Kバイトのシーケンシャルアクセスに置き換える)、(2)Windows NTFS向けのライトキャッシュ(NTFSのI/Oを削減する)、(3)重複排除機能(ストレージ全体での重複をインラインで排除する)---である。

障害時のデータ整合性チェックを5倍高速に

 今回の新版では、サーバーのハードウエア障害などが原因でAtlantis ILIO(仮想アプライアンス)が予期せず終了した場合のダウンタイムを、従来比で5分の1へと短縮した。復旧時に実施するデータの整合性チェックのプロセスを改善したことによって、100Gバイト当たり2~3分で整合性チェックが終わるようにしたという。

 新版ではまた、Atlantis ILIOの動作環境であるVMware vSphereのバージョンを拡大し、最新版のVMware vSphere 5.5/5.5U1上で動作するようにした。また、Windows上で動作するGUIベースのインストーラーを新たに用意した。これを使えば、手元のWindowsパソコンからリモートのVMware vSphere環境に、ネットワーク経由でAtlantis ILIOをインストールできる。

 価格(税別)は、ユーザーごとに個別の仮想デスクトップを割り当てる「パーシステント」ライセンス時に25ユーザー当たり31万5000円、ユーザーと仮想デスクトップをひも付けない「ノンパーシステント」ライセンス時に25ユーザー当たり21万円。販売目標は、初年度3万ユーザーライセンス。