写真●米SASインスティチュートのポール・ケント ビッグデータ・イニシアチブ担当バイスプレジデント
写真●米SASインスティチュートのポール・ケント ビッグデータ・イニシアチブ担当バイスプレジデント
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 「情報を保管するコストが、情報を取捨選択するコストを下回り、新たな時代に入った。新時代にふさわしいITの活用が求められる」。米SASインスティチュートのポール・ケント ビッグデータ・イニシアチブ担当バイスプレジデント(写真)は、日経コンピュータの単独取材の場でこう話した。

 ケント バイスプレジデントによれば、複数の調査から判断すると2010年を境に時代が変わったという。2010年より前を“欠乏の時代”、後を“豊潤の時代”と呼ぶ。

 欠乏の時代は、CPU、メモリー、ストレージなどがまだ高価だった。このため、企業のIT担当者は新しいことに挑戦しづらく、コスト削減が主な関心事だった。

 しかし、豊潤の時代は逆だとケント バイスプレジデントは主張する。コンピュータ資源が安価になったため、新しいことに挑戦しやすくなった。コスト削減を検討するよりも、「ITを駆使してビジネス上の価値をどれだけ生み出すかに、IT担当者の関心事は移っている」と同氏は言う。

 豊潤の時代を象徴するのが、分散処理ソフトウエア「Hadoop」だという。Hadoopは2010年の前後に注目を集め始めた。安価になったハードウエアを多数使って、大量データを並列に処理する。「当社もHadoopに対応した製品を出してきた。一度出した製品も常に改善している。その一例が、Hadoopで分析処理することで高速化を実現する『SAS Embedded Process』だ。今年第3四半期に機能を大幅に強化してリリースする」(ケント バイスプレジデント)。