米Mozillaは現地時間2014年4月14日、元最高マーケティング責任者(CMO)のChris Beard氏を暫定最高経営責任者(CEO)に任命したと発表した。Beard氏は、取締役にも就任する。

 Beard氏は2004年にMozillaに加わり、「Firefox 1.0」のリリースをはじめ、多数の革新的なプロジェクトに携わった。CMOとして世界規模でユーザー、開発者、コミュニティーとの関係強化を進め、「Firefox on Android」や「Firefox OS」の公開に尽力した。

 2013年6月にMozillaを退社し、ベンチャーキャピタルの米Greylock Partnersに客員経営者(EIR)として移籍した。MozillaのMitchell Baker会長によると、同氏を取締役会に迎えることは数カ月前から検討していたという。

 Mozillaは、1年近くにわたって新CEOの人選に取り組んだのち、同社共同創業者でJavaScriptの生みの親としても知られるBrendan Eich氏のCEO任命を、3月24日に発表した。しかしEich氏が、2008年に同性婚を禁止するカリフォルニア州の条項修正案「Proposition 8」を支持して1000ドルを寄付したことが明らかとなった。これを理由に、辞任を求める声が社内外で広がり、任命からわずか10日後の4月3日にEich氏は辞任を決断した(関連記事:Mozillaの新CEO、任命からわずか10日で辞任へ)。

 Mozillaは今年、新たな市場、新たなフォームファクターに向けたFirefox OSの提供拡大を計画しており、Baker会長は「この過渡期にMozillaを率いる人物としてBeard氏は最適だ」と述べ、同氏が正式なCEOの有力候補の1人であることも明かした。

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