無人飛行機製造の米Titan Aerospaceは、米Googleが同社を買収することを現地時間2014年4月14日までに同社Webサイトで発表した。買収金額などの条件については明らかにしていない。

 Titan Aerospaceは、米Facebookが世界のインターネット普及促進を目的とした「internet.org」の取り組みを進めるために買収に向けて交渉中と、3月初めに報じられていた。関係者からの情報では、6000万ドルの買収額を提示したとされている(関連記事:Facebook、無人飛行機メーカーのTitan Aerospaceと買収交渉中---米メディアの報道)。しかしのちにFacebookは、高高度長時間滞空(HALE)飛行機を手がける英Ascentaを2000万ドルで買収する計画を明らかにした(米USA Todayの報道)。

 Titan Aerospaceは2012年に設立された非公開企業で、ニューメキシコ州に本拠を置いている。昨年6月に最高経営責任者(CEO)に就任したVern Raburn氏は、超軽量ジェット機メーカーの米Eclipse Aviationの設立者兼元CEOで、米Microsoft消費者製品部門担当バイスプレジデントや米SymantecのCEOなどを務めた経歴を持つ。

 同社が手がける無人飛行機は、機体に張りめぐらされた太陽光電池パネルによって駆動し、高度約2万メートル上空を着陸や燃料補給することなく5年間飛行可能という。2015年の商用化を目指している。

 Titan Aerospaceは、Webサイトの告知で「新たな仲間から学び、新たな仲間と協力することを楽しみにしている。同時に、Googleファミリーの一員として我々の研究、実験、設計を続ける」と述べ、インターネット接続や環境調査などの分野を対象に挙げた。

 米Wall Street Journalの報道によると、Googleは気球を用いるインターネット接続促進プロジェクト「Project Loon」(関連記事:Google、気球を使った新興国向け高速接続プロジェクト「Project Loon」を発表)や、昨年買収した米Makani Powerの飛行型風力タービン開発などへのTitan Aerospaceの密な協力を期待している。

 一方、Facebookは3月27日に、internet.orgの一環として航空宇宙技術と通信技術に取り組む新たな研究チーム「Connectivity Lab」を発表した(関連記事:Facebook、無人機や衛星によるネット通信網構築の研究チームを新設)。同チームにはAscentaをはじめ、米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所やエイムズ研究センターなどの出身者らが参加している。