図●「GLASIAOUS」の概要
図●「GLASIAOUS」の概要
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 東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)とIIJグローバルは2014年4月9日、日系企業の現地法人向け会計サービス「GLASIAOUS」を、5月1日から提供すると発表した()。両社が手掛けるクラウドサービス「A.S.I.A. GP SaaS on IIJ GIO」と会計業務の代行サービスを一括して提供する。専任の情報システム担当や経理担当を置けない海外現地法人の会計情報であっても、本社側がタイムリーに把握できるようになる。中国とタイを皮切りに、アジアや中南米に提供していく予定だ。1年で30社、3年で300社への導入を目指す。

 B-EN-GとIIJグローバルは、税理士法人「名南経営」および世界7大会計事務所の一つ「RSMインターナショナル」のメンバーである税理士法人「東京クロスボーダーズ」と提携する。両社は2013年12月からSaaS型(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の会計システム「A.S.I.A. GP SaaS on IIJ GIO」を提供しているが、会計処理は顧客が自前で実施する必要があった。今回、中国やASEANに拠点を持つ税理士法人による会計業務の代行サービスと組み合わせることで、システム構築と会計業務の両方を不要としたサービスを実現した。

 GLASIAOUSでは、会計業務の代行を受託する税理士法人が「A.S.I.A. GP SaaS on IIJ GIO」を使用する。顧客企業は現地法人に負荷をかけることなく、システム上で現地の会計情報を把握することが可能だ。

 会計業務の代行サービスは広く活用されているが、会計情報を把握できるタイミングは四半期の決算時に限られるなど、制約が少なくないという。B-EN-Gの山下武志マーケティングアライアンス部部長は、「グローバルに展開する企業の会計処理は、拠点によって自前作業とアウトソーシングが混在しているケースがある。自前で会計業務が可能な拠点はA.S.I.A. GP SaaS on IIJ GIOを、難しい拠点はGLASIAOUSを活用すれば、全ての会計データを同じシステムで管理できる」と話す。

 基本メニューは1法人当たり月額15万円(税抜き)から。仕分伝票や外貨取引の記帳から本社へのレポート提供などを含む。オプションメニューとして、債権や債務データの登録・管理、請求業務の代行なども手掛ける予定だ。まずは中国とタイでサービスを展開し、2014年中にシンガポールやインドネシア、ベトナム、インド、ブラジル、メキシコにエリアを拡充する。