写真 事業方針を説明する板東社長
写真●事業方針を説明する板東社長
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 NTTぷららは2014年4月7日、2014年度の事業展開に関する説明会を開催した。代表取締役社長の板東浩二氏(写真)は、自社が運営する映像配信サービス「ひかりTV」のサービスおよび高度化の施策の一つとして、4K-VODの商用サービスを2014年10月に開始する考えを示した。

 商用サービスの開始に向けて、まず2014年4月8日から順次、商用の光回線を通じた4K-VODの配信トライアルを行う。全国の量販店やNTTグループのショールーム、エントランスなどに市販の4Kテレビを設置し、4K映像を展示する。開始時はNTT関連施設(5カ所)で実施し、全国量販店(7カ所)でも順次展開する。

図1 4K-VOD配信トライアルの内容
図1●4K-VOD配信トライアルの内容
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 動画圧縮方式にH.265/HEVC を採用し、NTT東日本およびNTT西日本が提供するフレッツ光ネクスト上において約30Mbpsの通信速度で配信する。トライアル用に開発したチューナー(STB)を通して最大で秒間60フレーム(60P)の4K映像を提供する(図1)。トライアル用チューナーは、「住友電工ネットワークスに依頼して開発してもらった」(板東氏)という。

 チューナーと4Kテレビは、HDMI2.0により市販の4Kテレビと接続する。NHKエンタープライズから供給を受けた作品や、NTTぷららが自主制作したドキュメンタリーの「下町ボブスレー」など、合計10作品を配信する。

図2 4K-VODの商用サービス提供に向けたスケジュール
図2●4K-VODの商用サービス提供に向けたスケジュール
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 今回のトライアル配信を通じてさらなる技術開発・検証を行い、2014年10月からNTTの光回線を利用した商用サービスの開始を目指す(図2)。本格提供に向けて4K映像の自主制作を進めるとともに、NHKエンタープライズをはじめとした各社と協力し、最先端技術の高画質4K映像をより早くユーザーに届けられる環境の整備を進める。

 このほか2014年6月から4K-IP放送のトライアルも開始する。4K放送の実現に向けた取り組みを進める主体としては、オールジャパンの組織である次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)があることから、「4K-IP放送のトライアルはNexTV-Fと連携して進めていく」という。4K-IP放送の商用化は、トライアル結果や映像コンテンツの調達状況を見つつ、提供時期を決定する。