図1●採用した高速化技術の例
図1●採用した高速化技術の例
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図2●採用した高圧縮技術の例
図2●採用した高圧縮技術の例
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 NTT持ち株会社(日本電信電話)は2014年4月7日、放送局などで用いられる素材映像の圧縮を可能にする映像符号化国際標準であるHEVC(High Efficiency Video Coding)のRange Extensions(RExt)に対応したソフトウエアエンコードエンジンを開発したと発表した。

 同社は昨年8月に、4Kに対応した「H.265/HEVC」のソフトウエアエンコードエンジンの開発を発表していた。これはMain/Main10 Profileに準拠するもので、主に配信や放送など動画像コンテンツのディストリビューションに向けた技術だった。今回は、こうしたコンテンツ制作の元となる素材映像の伝送や蓄積に向けたもので、より高画質な映像に向ける。このため、より色成分精度の高い色差フォーマット(4:2:2フォーマット)への対応や、高ビット深度(12ビット、輝度および色差信号のサンプリング時のビット数)に対応する。

 より高画質な映像の圧縮に対応するため、例えばNTT独自のイントラ予測方向高速判定技術の導入や、像の中の前景と後景が境界部分で適切に分割されるように映像符号化に用いるブロックサイズを最適化する技術などを導入した(図1図2)。この結果、昨年開発したソフトウエアエンコードエンジンと比較して最大40%の速度向上および18%の圧縮率向上を実現したという。

 このエンコードエンジンは、米国ラスベガスで4月7~10日に開催の世界最大の放送機器展「NAB2014」のNTTブースで展示する。また、NTTグループ企業を通じて2014年後半に商品としてリリースを予定する。

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