米Appleが音声認識技術の英Novauris Technologiesを買収していたと、複数の海外メディアが現地時間2014年4月4日までに報じた。Novaurisチームは現在、Appleの音声アシスタント機能「Siri」の強化に取り組んでいるという。

 これを最初に報じた米TechCrunchは、4月3日にAppleが買収を暗に認めたと伝えている。Appleに問い合わせたところ、同社が買収を実施したときの決まり文句である「Appleは比較的小規模の技術企業を買収することがあるが、我々はその目的や計画についてコメントはしない」と述べたという。

 Novaurisは音声入力技術の分野で先駆的存在である英Dragon Systemsの子会社Dragon Systems R&D U.K.から発展した事業で、2002年に設立された。最高経営責任者(CEO)のYoon Kim氏、共同設立者のMelvyn Hunt氏およびJohn Bridle氏は、Dragon Systemsのほか、カナダNortel Networksや米SRI Internationalなどで勤務した経験を持つ。

 NovaurisはほとんどのスタッフがDragon Systems R&D U.K.出身者で、同社の自動音声認識技術はすでにiOSおよびiPhoneに組み込まれている。

 TechCrunchが取材のためにNovaurisに電話したところ、Hunt氏が電話に出て「Appleです」と応答したという。同氏はNovaurisチームが現在Appleのために作業していることを認め、Novaurisが事業体としての運営はしていないことを明らかにした。

 AppleのSiriは、SRI Internationalの研究をもとに誕生した技術で、Appleが2010年に獲得し、2011年に初めて「iPhone 4S」に導入した。同様の音声アシスタント機能としては、米GoogleがAndroid向けに「Google Now」を提供しているほか、米Microsoftがモバイルプラットフォームのアップデート「Windows Phone 8.1」に「Cortana」を搭載することを4月2日に正式に発表(関連記事)しており、Siriは厳しい競争に直面していると、米Wall Street Journal米CNET News.comは指摘している。