写真●キヤノンソフトウェアのスマートデバイス向け端末エミュレーター新版「TCPLink Enterprise Server スマートデバイスオプション」
写真●キヤノンソフトウェアのスマートデバイス向け端末エミュレーター新版「TCPLink Enterprise Server スマートデバイスオプション」
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 キヤノンソフトウェアは2014年4月2日、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスをメインフレームの端末として利用可能にする端末エミュレーターの新版「TCPLink Enterprise Server スマートデバイスオプション」(写真)を発売した。

 TCPLink Enterprise Server スマートデバイスオプションは、同社のサーバー型端末エミュレーター「TCPLink Enterprise Server」と組み合わせて使うオプションソフトウエア。3270/5250エミュレーター機能を提供し、IBMメインフレームおよびAS/400との接続を可能にする。メインフレームとスマートデバイス間の通信を仲立ちし、メインフレームとのホストプロトコルを使った通信をHTTPS通信に変換、スマートデバイスに中継する役割を果たす。

 スマートデバイスとの画面表示や操作情報のやりとりに、HTML5およびWebSocketを採用している点が同製品の大きな売りとなっている。スマートデバイス側に専用アプリをインストールする必要がなく、配布やバージョン管理の手間が省ける。標準Webブラウザーでサーバーにアクセスするだけで利用でき、AndroidでもiOSでも動作する。さらに、HTML5およびWebSocketを使うことにより、ステートフルな双方向通信による素早いレスポンスや、マルチデバイスへの画面解像度最適化なども実現できたとしている。

 ソフトウエアキーボードによる文字入力やタッチパッドによる機能キーの利用など、物理キーボードを備えていないスマートデバイスでも画面タッチだけで操作が可能。電波状態が悪い状況でもメインフレームとの通信セッションが切れないよう、サーバー側でセッションを維持する機能も備える。

 動作要件は、サーバー側が2.0GHz以上の64ビットプロセッサー、1Gバイト以上のメインメモリー、32Gバイト以上のディスク容量、OSがWindows Server 2012などとなっている。スマートデバイス側は、Android 4.1以降のAndroid端末またはiOS 6.0以降のiOS端末が必要。

 価格は、TCPLink Enterprise Serverが18万円(同時接続4セッション)から、TCPLink Enterprise Server スマートデバイスオプションが12万円(同)からとなっている(価格はいずれも税別)。キヤノンソフトウェアでは、2015年12月末までに3億円の売り上げ(関連製品を含む)を目指すとしている。