アシストは2014年3月31日、VDI(デスクトップ仮想化)ソフトの新版「Ericom PowerTerm WebConnect 5.8.2.1」(写真)を発表、同日提供を開始した。新版では、接続プロトコルの強化によって、画面の表示速度などを向上させた。開発会社はイスラエルEricom Software。
PowerTerm WebConnectは、シンクライアントからの接続方法を複数備えるVDIソフトである(関連記事:アシスト、HTML5で操作できるデスクトップ仮想化ソフト)。操作対象のデスクトップとシンクライアント端末を1対1でヒモ付けて管理するデスクトップブローカー機能を中核とする。デスクトップへの接続プロトコル(シンクライアントプロトコル)は、Windows標準のRDP(Remote Desktop Protocol)を含めて三種類を用意している。
RDP以外の二種類のシンクライアントプロトコルは、独自に開発した「Ericom Blaze」と「Ericom AccessNow」。いずれも、RDPを独自プロトコルに変換して通信するサーバーソフトとして提供する。このサーバーソフトは個々のデスクトップ上で動作させるのが基本だが、デスクトップの前段(デスクトップブローカーと同一サーバー機など)に設置して中継サーバーとして使うこともできる。
独自プロトコルの一つであるEricom Blazeは、RDPプロトコルを圧縮してRDP通信を5~25倍に高速化する。ソフトウエアの要素としては、操作対象となるWindowsデスクトップ(またはアクセス中継サーバー)にインストールするサーバーモジュールと、シンクライアント端末(Windows/Mac/Linux、Android/iOS)上で動作するクライアントモジュールで構成する。Ericom BlazeはPowerTerm WebConnectに含まれるが、単独製品としても購入できる。
もう一つの独自プロトコルであるEricom AccessNowは、RDPをHTML5に変換する(関連記事:アシスト、HTML5のWindowsリモート操作ソフト新版はRDPを圧縮・高速化)。ソフトウエアの要素としては、操作対象となるWindowsデスクトップ(またはアクセス中継サーバー)にインストールするサーバーモジュールだけとなる。専用のクライアントモジュールは存在せず、シンクライアント側にはHTML5対応のWebブラウザーがあればよい。Ericom AccessNowもPowerTerm WebConnectに含まれるが、単独製品としても購入できる。