警察庁、総務省、経済産業省は2014年3月27日、2013年における不正アクセスの発生状況を公表した。それによると、全国の警察が把握した不正アクセスの件数は過去最多の2951件で、2012年の1251件から大幅に増加。不正アクセス後の行為としては、インターネットバンキングの不正送金が最も多く1325件だった。

 警察庁などでは、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(いわゆる、不正アクセス禁止法)」の規定に基づき、年に1回以上、不正アクセスの発生状況などを公表している。今回公表したのは、2013年における不正アクセスの発生状況。

 2013年中に、全国の都道府県警察から警察庁に報告された不正アクセスの認知件数は2951件(表1)。海外からとみられるアクセスは289件、国内からのアクセスは2474件だった。

表1●不正アクセス行為の認知件数の推移(警察庁などの発表資料から引用。以下同じ)
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 また、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は980件、検挙人数は147人。2012年と比べ、検挙件数は437件増加し、検挙人数は7人減少した。

 不正アクセス後の行為としては、インターネットバンキングの不正送金が1325件、インターネットショッピングの不正購入が911件、オンラインゲームやコミュニティサイトの不正操作が379件などだった(表2

表2●不正アクセス後の行為の内訳
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 不正に取得したユーザーIDとパスワードのリストを使って不正アクセスを試みる、いわゆる「パスワードリスト攻撃」は、2013年中に約80万件報告された。警察庁などでは、パスワードリスト攻撃を「連続自動入力プログラムによる不正ログイン攻撃」と呼んでいる。この攻撃の報告件数は、不正アクセスの認知件数に含めていない。