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 米Microsoftは現地時間2014年3月27日、米Appleのタブレット端末「iPad」向けに同社のオフィススイート「Microsoft Office」を提供すると発表した。同日より「Microsoft Office for iPad」アプリケーションをAppleの「App Store」で無償公開する。

 Office for iPadは「Word for iPad」「Excel for iPad」「PowerPoint for iPad」で構成される。iPadユーザーはこれらアプリケーションにより、Word文書、Excelスプレッドシート、PowerPointで作成したプレゼンテーションを閲覧できる。「Office 365」にサブスクリプション登録していれば、iPad上で新規作成および編集も行える。

 Microsoftは「Office for iPadはまさにOfficeユーザーが慣れ親しんだルック&フィールを提供するが、iPad独自のタッチ操作や機能に合うよう一から構築した」と説明している。

 Office for iPadは日本語を含む29言語に対応し「iOS 7.0」以降を搭載するiPadで利用可能。

 これまで、特にOfficeに関してはWindows優先を貫いてきたMicrosoftにとって大きな方針転換だと複数の米メディア(Wall Street JournalBusinessweek)は報じている。

 またMicrosoftは、これまでOffice 365サブスクリプション登録者のみ対象に提供していたAppleの「iPhone」および米Googleの「Android」スマートフォン向けモバイルアプリケーション「Office Mobile for iPhone」「Office Mobile for Android」を、一般向けに無償公開すると発表した。Office 365サブスクリプション無しでWord、Excel、PowerPointドキュメントを閲覧できるほか、無料のMicrosoftアカウントがあれば作成および編集が行える。

 同社はさらに、iPad向けに最適化した「OneNote」「Dynamics CRM」「Dynamics AX」「Bing」「Lync」「Outlook Web Access」「OneDrive」「OneDrive for Business」「Yammer」「Skype」アプリケーションも公開した。

 そのほか、企業がデバイス、ID、アクセス権限を管理し、企業資産を保護するためのクラウドサービス「Enterprise Mobility Suite(EMS)」も発表。「Windows Intune」「Azure Active Directory Premium」「Azure Rights Management Services」などが含まれ、5月1日に提供を開始する。

 Satya Nadella最高経営責任者(CEO)は「我々のビジョンは、すべてのデバイスに、クラウドでつながる最良の体験を提供することだ」と述べ、あらゆるプラットフォームに製品やサービスを拡大する姿勢を示した。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]
[発表資料(3)]